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英アンドルー王子、軍籍などを女王に返還 英国民は「正しくて名誉ある対処」「女王が哀れだ」

2022年01月15日 01:31  Techinsight Japan

Techinsight Japan

軍の役職などを女王に返還したアンドルー王子
エリザベス女王と故エディンバラ公フィリップ王配の第3子であるヨーク公アンドルー王子が、軍の称号などを剥奪され、今後は王室公務に復帰しないことが発表された。王子は当時17歳だった女性への性的暴行疑惑による民事訴訟破棄を求めていたが、このほどその要求が退けられた。王室の対応を受け、英国民からは「正しい対処の仕方だ」「女王が可哀そう」といった声があがっている。

バッキンガム宮殿は現地時間13日、「女王陛下の承認と同意を得た結果、ヨーク公の軍の名誉職と慈善団体のパトロンの役職が女王に返還されました」と声明を発表した。

宮殿は「ヨーク公は今後公務に復帰することはなく、私人としてこの事件を防御していくつもりです」と述べている。

アンドルー王子は王室を離脱したヘンリー王子・メーガン妃夫妻と同様に「ロイヤルハイネス(HRH)」の敬称は保持するものの、今後は公の場で使用されることはないという。

英メディアの王室情報筋によると、王子の役割は即座に女王に返され、他の王室メンバーに再分配されるとのことだ。

アンドルー王子は、未成年少女の人身取引の疑いで逮捕され勾留中の2019年8月に死亡した米富豪ジェフリー・エプスタイン被告と親交があったことが明るみに出ていた。

同年、被害者の1人で当時17歳だったバージニア・ロバーツ・ジュフリーさんは「3度にわたり王子から性交を強要された」と主張。王子は「まったく記憶にない」と完全否定したものの、同年11月には当面の間公務から退くと発表していた。

2021年8月には、バージニアさんがアンドルー王子からの過去の性的虐待に対する民事訴訟を起こした。これに対し王子の弁護士が訴訟破棄を求めていたが、米国の裁判所が現地時間12日、王子側の要求を退けたのである。この結果、王子は民事上の性犯罪の裁判を受けることになった。

翌13日には、150人以上の退役軍人がエリザベス女王に手紙を書き、アンドルー王子を名誉職から外すようにと求めていた。

アンドルー王子に対するバッキンガム宮殿の対処の仕方に対し、英国の人々はSNSでこのような意見を交わしている。

「現在の状況において、正しくて名誉あるやり方だ。たとえそれが女王にとって心苦しいことであっても。」
「彼自身が招いた結果だよ。王室の仕組みを知っていながら、自分はそれ以上の立場だと思っていた。そして今、自分が王室でどれほどの存在価値があるかを、知ることになったんだよ。」
「王子は警察からの警備チームも失うのかな?」
「女王が哀れだ。正しいことをして自分の義務を果たすことに人生を捧げてきたのに、今になってこんな事態に直面するなんて。」
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)