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マイナス20度の屋外に捨てられた新生児、10代少年らが発見し無事保護される(露)

2022年01月14日 06:11  Techinsight Japan

Techinsight Japan

極寒の屋外から救出された新生児(画像は『BBC 2022年1月13日付「Baby found by teenagers in -20C in Siberia doing well」(ZDRAV.NSO.RU)』のスクリーンショット)
マイナス20度の屋外で、生後間もない新生児が捨てられていたというニュースがロシアより届いた。散歩中の少年5人により発見された新生児は服を着ておらず、1枚の布で包まれた状態でダンボールの中に放置されていたという。これを殺人未遂事件として捜査すると発表した警察は現在、母親の行方を追っている。『BBC』『The Mirror』などが伝えた。

ロシア人が正教会のクリスマスをお祝いした1月7日のこと、ノヴォシビルスク郊外にあるソスノフカ村の人里離れた道路沿いで生まれて間もない赤ちゃんが捨てられているのを10代の少年5人が発見した。赤ちゃんはマイナス20度の寒さの中、卵を保存するためのダンボール箱に入れられて放置されていた。警察は現在、殺人未遂事件として捜査しており母親の行方を追っているという。

発見者のひとりであるレナト・リトビノフさん(Renat Litvinov、16)は、当時の状況をこう明かした。

「その日の夕方、友達と散歩していたら箱が落ちているのを見つけました。近づいてみるとキュンキュンと音が聞こえてたので、子犬でも入っているのかなと思ったんです。外が暗かったので、スマホの明かりで箱の中を照らしてみると女の子の赤ちゃんがいました。とても小さくてまるで人形のようで…突然のことに僕たちは何をすべきなのか、どこに連れて行けばいいのか分からず、すぐに動くことができませんでした。赤ちゃんは布に包まれていただけで服は着ておらず、隣に哺乳瓶が置いてありました。道行く車を止めようとしたけど誰も止まってくれなかったので父に電話しました。」

レナトさんから連絡を受けた父親のドミトリーさん(Dmitry、42)は妻のアンナさん(Anna、38)と共に現場に向かい、赤ちゃんを急いで病院に連れて行ったそうだ。

ドミトリーさんはその時のことをkのように振り返っている。

「赤ちゃんを見た時は本当にショックで。でも診察した医師から『赤ちゃんは大丈夫』と言われました。凍傷にもなっておらず、現在は小児病院で治療を受けています。息子たちは本当にいいタイミングで赤ちゃんを発見できたのだと思います。」

小児病院の医師によると赤ちゃんは生後3日ほどで、臍の緒の状態や処理の仕方から自宅出産の可能性が高いとのことだ。そして現在の健康状態は良好だという。

ドミトリーさん夫妻は今後、この赤ちゃんを養子に迎えたいと思っているそうで、アンナさんは「私たちには3人の息子がいますが、娘を持つことを長年夢見てきました。赤ちゃんを我が家に迎えられるよう期待しています」と語っている。

一方でノヴォシビルスク地区の行政監察員(子どもの権利オンブズマン)であるナデージダ・ボルテンコさん(Nadezhda Boltenko)は、次のように述べている。

「まずは親族が見つかるかどうか、それがはっきりするまでは養子縁組の話はできません。親族が見つからなかったり、子供を引き取らない場合は、養子縁組に向けて養親となる人が書類を集めたり、特別な講習を受けたりしなければなりません。さらに後見人はその家族がどれだけ信頼できるか、子供をサポートする条件を備えているかなどを審査します。養子縁組の手続きには最低でも2か月はかかります。我々は養子縁組を希望する家族を支援したいと思っています。」

画像は『BBC 2022年1月13日付「Baby found by teenagers in -20C in Siberia doing well」(ZDRAV.NSO.RU)(THE SIBERIAN TIMES)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)