介護職を即行で辞めた経験談が多く寄せられる中、介護施設で勤務したことがある看護師からも即行で辞めた経験談が寄せられている。職種を問わず、介護の仕事は本当に過酷ということだろう。(文:林加奈)
※キャリコネニュースでは引き続きアンケート「仕事を即行でやめた人」を実施しています。回答ページはこちら https://questant.jp/q/HF78WM9H
「介護リーダーに『いらんことするな』という目線で拒否された」
40代女性(福岡県/年収300万円)は介護老人保健施設の看護師として入社した。ところが初日から、介護者が利用者を怒鳴りつける現場を目の当たりにしたという。それだけでなく
「自分は経験者なので車いすからベッドへの移乗をしようとしたら介護リーダーに『いらんことするな』という目線で拒否された。その後、看護主任に『金魚のフンのように自分の後ろから離れないで』と言われた。きっと、その介護リーダーに何か言われたのだろう……と察しましたが」
と、不満げに綴っている。積極的に仕事に取り組む姿を評価してほしいものだが……。結局、女性はその施設を2日で退職したという。
「夜勤を終えた介護士はなかなか帰宅できず」
別の60代女性(福岡県/年収350万円)は、19年もの間病院の看護師をしていたが、体調を崩して退職。1年間の自宅療養の末、退職前から誘いを受けていたという特別養護老人ホームに看護師として入職した。ところが「中に入るととんでもない職場」だったという。
「夜勤を終えた介護士はなかなか帰宅できずに会議や施設のイベント練習等、夜勤明けでも必ず出勤させていました。入所者の問題行動は担当者の責任として時間を問わず呼び出す等、職員を人間と思わない業務命令やハラスメントが日常化して離職者が後を絶たない職場でした」
そんな現場を問題視したのか、女性は幹部から「離職者が絶えない理由」を分析して提出するように指示があったという。実際に職員の声をヒアリングして提出したところ、
「毎日のように嫌がらせや幹部からのハラスメントを受けるようになり、睡眠や食欲に悪影響して体重も38キロまで落ち、うつ状態で退職を決意しました」
と振り返る。離職が多い理由を分析するよう指示したその幹部こそが離職の原因だったようだ。女性は「介護スタッフが安心して働ける職場を確立したかったんですが、役に立つことができないまま、約1年で離職してしまいました」と、後悔の念を綴っていた。