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JR九州の西九州新幹線N700S「かもめ」川棚港到着、セレモニー開催

2022年01月09日 15:41  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
JR九州の西九州新幹線車両N700S「かもめ」が川棚港(長崎県川棚町)に到着し、1月9日に長崎県と長崎新幹線・鉄道利用促進協議会、川棚町の主催で歓迎セレモニーが開催された。地元の人々が手旗を振り、新型車両を歓迎した。


西九州新幹線N700S「かもめ」は日立製作所笠戸事業所(山口県下松市)で製作され、車両を船に積み込み、1月6日に出港。関門海峡、玄界灘、平戸瀬戸、針尾瀬戸を通り、1月8日に川棚港へ入港したとのこと。1月9日は水切り(貨物を陸揚げする作業)と歓迎セレモニーが行われ、地元のこどもたちが招待された。「ガンバーレ! ガンバーレ!」「フレー! フレー! かもめ!」とこどもたちから声援が飛ぶ中、N700S「かもめ」の6号車をクレーンで吊り上げ、トレーラーに移す作業が進められた。



歓迎セレモニーでは、地元園児から長崎県知事の中村法道氏、JR九州代表取締役社長執行役員の青柳俊彦氏へ花束を贈呈。続いて挨拶した中村知事は、西九州新幹線について、「整備計画に位置づけられてから半世紀近く。その間、厳しい状況にも直面しましたが、関係する皆様の熱意と努力によって乗り越え、いよいよこの秋、開業を迎えようとしています」「昨年9月にレールがすべて敷設され、残る工事も順調に進んでいると聞いています。沿線の各都市においても、駅舎をはじめ、ホテルやオフィスビルなど周辺地域の整備が進み、街の佇まいが大きく変わってきています。開業に向けて、期待が大きく高まっているところです」と述べた。


青柳社長も挨拶し、N700S「かもめ」のデザインについて紹介。「1999年に登場した白い『かもめ』では、水戸岡先生(デザインを担当した水戸岡鋭治氏)が『究極の色は白だ』と言われ、真っ白な車体の885系をつくりました。今回の『かもめ』はそれを引き継ぐという思いもあり、見ての通り真っ白な車体になっています。『他の新幹線も白いじゃないか』と言う人もいると思いますが、これは白の中でも一番白い白。汚したら長崎の皆さんに怒られるのでは……と心配もしていますが、この真っ白な姿で走行できるようにしていきたい」と語った。



N700S「かもめ」では、JR九州のコーポレートカラーでもある赤色も配色し、シンボルマークやロゴを車体の各所に散りばめることで「九州らしさ」を表現している。車体にデザインされた「かもめ」の毛筆書体は、青柳社長が自ら揮ごうしたという。インテリアデザインは、和洋折衷、クラシックとモダンを組み合わせ、懐かしくも新しい空間を表現。「水戸岡デザインの粋を凝らした車両になっています」(青柳社長)とのことだった。



川棚港に到着したN700S「かもめ」の今後のスケジュールについて、「大村車両基地へ搬入して車両を整備し、今月末か来月から順次動かし始めます。本線を走行するのはもう少し後になろうかと思いますが、試験走行を十分行い、乗務員の養成もしっかり進め、開業まで遅れることなく準備を進めたい。開業後も安全かつ安定的な輸送に努めたいと思います」と青柳社長は話す。西九州新幹線は標準軌のフル規格で整備した武雄温泉~長崎間が2022年秋に開業予定。武雄温泉駅にて、博多駅からの在来線特急列車と同一ホーム乗換えを行う「対面乗換方式」により運行される。(MN 鉄道ニュース編集部)