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BTS JINの生き様とRMの細部へのこだわり オリジナルグッズ制作から2人の個性を再確認

2022年01月09日 10:01  リアルサウンド

リアルサウンド

BTS「Permission to Dance」

 BTSが仕掛ける新たなプロジェクト『ARTIST-MADE COLLECTION』が面白い。BTSのメンバーが約12カ月に渡り、商品企画からディテールまでこだわってオリジナルグッズを制作するというもの。


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 大まかな流れは、メンバーごとに企画されたグッズのスタイルフォト(Twitter)、アイテムを紹介するショー動画(Weverse、V LIVE)、メイキング動画(Weverse、V LIVE)と公開され、実際に購入することができる。


 公式Twitterが発表したリリーススケジュールによると発売日は、JIN(1月4日)、RM(1月6日)、V(1月11日)、SUGA(1月13日)、JIMIN(1月18日)、J-HOPE(1月20日)、JUNG KOOK(1月24日)と段階的にやってくるようだ。


 面白いのは、真剣に取り組むメイキング動画とショー動画のテレビショッピング風の掛け合いとのギャップだ。大真面目に企画したアイテムを、メンバーが実際に着用して心地よさそうにしている様が実に楽しそうで微笑ましい。


 BTSにかかれば、どんなシチュエーションもエンターテインメントになる。そんな印象さえ受ける『ARTIST-MADE COLLECTION』。今回は、先駆けて発売を迎えたJINとRMのメイキング動画及びショー動画から、2人の魅力を再確認していきたい。


■1日1日を満足して生きる姿勢を見せたJIN


 JINがプロデュースしたグッズはパジャマと枕だった。「暖かく抱きしめてくれるパジャマと、心地よくいい夢を見てほしいという意味で枕」と1日の終わりを優しく包むアイテムを作りたいと語った。


 さらにJINの口からは、天使と悪魔の2パターンを制作し「今日は正しく過ごしたと思ったら天使」「今日は良くない過ごし方で反省すべきだと思ったら悪魔」と使い分けて寝るという斬新なアイデアが飛び出す。このアイデアはJIN自身が、1日の終わりに満足する日を過ごせたかどうかを振り返っていなければ、出てこないものではないだろうか。


 しかも、パジャマだけではなく枕も同様に2つ使い分けてほしいと続ける。あまりにかわいらしいアイデアに、普段なかなか笑わないというカメラ監督も思わず吹き出す展開に。その様子を見て、JINが「笑ってくださるから嬉しいな」と照れる姿もまた多くのARMY(ファン)の頬を緩ませたはずだ。


 そして、パジャマのベースとなるカラーを決める際にも「何かが飛び散っても目立たない、そんな色」と食べることが大好きなJINらしさもチラり。さらに、枕に関してもストレートネックで首のヘルニアを経験したJINが愛用している枕を参考に、形や硬さを吟味。カバーの素材も、JINが使っているものに近いものを採用していく。


 そんなJINの生活の一部を感じられるような仕上がりのグッズは、すでにリアリティ番組『In the SOOP BTS ver. シーズン2』でも着用されていたものであると気づく。JINが実際に着用して眠った姿を見れば、デザインのみならずその着心地の良さも気に入っていることが窺える。


 ショー動画でも、SUGAがパジャマ&枕で熟睡する姿が映し出されていた。また、他のメンバーも天使バージョン、悪魔バージョンを楽しげに着用。Vが両方のバージョンを着てみせるという自由なスタイルも披露して笑いを誘うシーンも。


 たとえ悪魔バージョンの日だったとしても、このパジャマと枕を見れば笑顔になること間違いなしだ。日々の満足度を高め、さらに楽しく心地よく1日を終われるようにというJINの生き様そのものを感じさせるアイテムといえそうだ。


■わかる人にだけ伝わるこだわりを見せたRM


 一方、RMがプロデュースしたのは、たい焼き型の風鈴とジョガーパンツ。異色の組み合わせに見えるが、これもRMが実際にプライベートで愛用しているものから「もっといいものがあったら」と作られたものたちである。


 その細部へのこだわりが、RMらしくてついにやけてしまう。まず「なぜたい焼き?」と思わせるところがRMのニクいところだ。それは以前、ARMYの前で「たい焼きが好きだ」と発言したことから。さらに「僕は唇もちょっと厚めなので厚い唇を持ったキュートなたい焼きに」とそのディテールにまでエピソードを組み込んでいく。


 BTSが発信するMVでは、元ネタとも言える情報を知っている人がより楽しめる仕掛けを度々見かけるが、RMのものづくりにはそうした深堀りする面白さが根本にあるのだと改めて感じることができる。


 またジョガーパンツに関しても、さりげないデザインが光る。カラーはどんな服にも合わせやすいブラックとライトグレー。一見するとアーティストグッズとは思えないシンプルさだ。だが、よく見るとサイドのポケット近くに小さくARMYのマークが刺繍されている。その刺繍糸のカラーもなるべく馴染みのいいものをセレクトしていた。


 さらに、イチオシのポイントがウエストの紐の先に小さく印刷された「by BTS」の文字。しかも内側で普段見えるところではない紐である。このさりげなさは、もうARMYでなければRMプロデュースのジョガーパンツであることに気づくことができないレベル。しかし、だからこそ気づけたときのARMY同士の「お!」という喜びはひとしおというもの。


 それほど繊細な仕掛けを考えるRMでありながら、サンプルの風鈴を掴みそこねてガシャンと鳴らしたり、ショー動画でジョガーパンツを手に取ろうとして風鈴にぶつかってしまうという「破壊神」な一面も健在。まるでたい焼きが鐘にぶつかって心地よい音を奏でるように、RMが動けば周囲に笑顔が溢れるということか。


 ものづくりには、手掛けた人の想いが宿る。『ARTIST-MADE COLLECTION』は、音楽とはまた別の形で、BTSメンバー1人ひとりが大切にしているものを共有することができる機会となりそうだ。どのようなこだわりが飛び出すのか、他のメンバーのショー動画&メイキング動画の公開も待ち遠しい。(佐藤結衣)