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JO1&INI所属事務所からはLAPONE BOYSが誕生 ジャニーズJr.らデビュー前からコンテンツ公開する意義

2022年01月07日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2 FAN BOOK』

 2021年12月、にわかにざわついた。グローバルボーイズグループのJO1とINIが所属するLAPONEエンタテインメントが練習生制度「LAPONE BOYS & LAPONE GIRLS」を導入、すでに練習生がいることを発表した。現在所属する練習生は、大久保波留、寺尾香信、平本健、福田歩汰の4名。全員『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』参加者だ。公式サイトでは練習生の募集も行っている。


(関連:JO1とINI、ボーイズグループシーンに一石を投じる存在に ファンへの強い想いとともに活動する2組


 すでに公式YouTubeチャンネル「We are LAPONE BOYS!」が開設され、それぞれへの密着ドキュメントが公開されている。『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』のときの映像も満載で、元“国民プロデューサー”たちも注目の内容となっている。いずれ、練習生の中からデビューするグループも出てくるだろう。


 こうした制度を採り入れながらも、デビュー前は大々的に彼らの活動を公開しない方針の事務所も多くある。デビュー前にあえて多くの人の目に触れるコンテンツを公開するのにはどういった意義があるのだろうか。


■ジャニーズJr.のYouTube公式チャンネルの開設が転機に?


 ジャニーズ事務所と言えば過去、動画はおろか、写真さえもネットに上がることがなかった。だからこそ、2018年公式でYouTubeチャンネル「ジャニーズJr.チャンネル」が開設されたのは驚きの出来事だった。スタート時に登場したのはSnow Man、SixTONES、HiHi Jets、東京B少年(美 少年)、Travis Japanの5組。Snow ManとSixTONESは2020年にCDデビュー。2組が卒業後は7 MEN 侍、少年忍者が、さらに2021年1月からは関西ジャニーズJr.のなにわ男子、Aぇ! group、Lilかんさいが加わった(なにわ男子はデビュー決定に伴い、2021年10月に卒業)。


 脈々と続くジャニーズJr.。90年代から2000年代初頭はジャニーズJr.黄金期と呼ばれ、ゴールデンタイムに冠番組があるなど、その人気はすさまじいものだった。その波が再び訪れている。2021年11月にデビューしたばかりのなにわ男子の注目度は高く、美 少年・浮所飛貴が『VS魂』のレギュラーを務めるなど、ジャニーズJr.がドラマ、バラエティに精力的に出演している。


■見られる機会が増える=ファン獲得のチャンス


 ジャニーズJr.と言えば、デビューグループのバックで踊り、先輩たちのパフォーマンスを盛り上げる役どころというイメージだ。そこで観ていたファンが心惹かれ、Jr.も応援するようになる……という図式である。しかし、バックで踊っているコンサートや歌番組だけではなかなかどっぷりとハマるのは難しいだろう。そんな中で、検索すれば気になっていたメンバーやグループがメインになった動画が出てくるのは心強い。おまけにパフォーマンスする姿だけではなく、素に近い姿を見られる。ファンの母体が大きくなれば、自ずとテレビに出演する機会も増える。「見つける」だけで終わっていたものが、「見つけて、知って、応援する」という流れが作りやすくなっていると言えるのではないだろうか。この流れは、『PRODUCE 101』シリーズのようなオーディション番組と似たものがある。オーディションほどゴールは見えやすくないが、その分、活躍の機会はさまざまなところに生まれる。


■先輩グループへのアピールの場にも


 なにわ男子は関ジャニ∞・大倉忠義が、Aぇ! groupは横山裕がプロデュースに関わっている。先輩の後押しは大きい影響力があり、第一線で活躍しているグループのメンバーが演出に関わるのは、デビュー前のJr.にとって学びの場になる。学んだ上で、デビュー後に自らのグループらしい演出ができるようになるのが理想だろう。また関ジャニ∞は自身のツアーでバックについているAmBitiousとコミュニケーションの時間をたっぷりととっている。個性を上手く引き出すトークを、ツアーに訪れている関ジャニ∞のファンも微笑ましく見守り、好印象を抱くようになる。


 関ジャニ∞の場合、関西ジャニーズということで縦の繋がりも強いが、ほかの既存グループではどうだろう。年が離れているジャニーズJr.だと接点も少なければ、どういったキャラクターなのか知る機会も少ないかもしれない。しかし、コンテンツが供給されることで、「どういったグループなのか」「どういったメンバーなのか」と知る機会が作られる。それぞれの個性が分かればより親しみやすくなる。Jr.にとっては一般層だけではなく、先輩へのアピールの機会にもなるはずだ。


■事務所全体へのポジティブな影響


 ここまで触れてきた通り、やはり努力の過程をコンテンツとして見てもらうことによって、さまざまな層へのアピールになるのは大きい。同時に、ファンが視聴することによって「育てている」「応援している」一体感も大きくなる。先述した通り、この辺りまではオーディション番組と似たところがある。


 しかし、コンテンツを作ることで、お互いにとって刺激になり、一方で仲間意識が生まれる可能性もある。グループが育っていくためには切磋琢磨することが必要だ。事務所内での競争もそのひとつ。事務所全体の力の底上げが、やがては全てのグループへの良い効果、そしてブランド力を生むことになるのではないだろうか。(ふくだりょうこ)