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黒木華主演ドラマにハズレなし 近年量産の編集部ドラマにどんな新しさをもたらす?

2022年01月06日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

黒木華『ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○』(c)フジテレビ

 黒木華がフジテレビ系ドラマで初主演を務める『ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○』(フジテレビ系)が1月6日よりスタートする。このドラマは大手出版社・クスノキ出版が運営するニュースサイト「カンフルNEWS」の編集部を舞台に、そこで働く者たちの仕事・生き方・恋愛を通して、新時代の“人と人とのつながり”を描く、完全オリジナルの社会派“風”お仕事エンターテインメント。黒木は、経理部だったが突然「カンフルNEWS」の立て直しを命じられる瀬古凛々子を演じる。


【写真】黒木華の髪をわしゃわしゃする高橋一生


 「カンフルNEWS」編集部には、温厚で争いごとが苦手な放任主義の編集長・山田礼二(生瀬勝久)、ひねくれていて口も悪いが人を丸め込むのが上手い根津道春(溝端淳平)、さまざまな女性と広く浅く付き合い、仕事は早いが中身の薄い男・下馬蹴人(野村周平)、『週刊カンフル』の元エース記者だったシングルファーザーの椛谷静司(野間口徹)、少年マンガ誌『ジャンクス』の編集部志望だった一本真琴(石井杏奈)らが所属。だが、その仕事ぶりは他社のニュースやブログ記事のコメントをコピペしただけの“コタツ記事”ばかりを発信し、PVは月間50万程度という“お荷物部署”。凛々子は「月間5000万PV」という目標を掲げ、奮闘していく。


 黒木は今年がドラマデビュー10周年。幅広い役柄を巧みに演じ分けることができるのが彼女の大きな魅力だ。人生に疲れたOLを好演した『凪のお暇』(TBS系/2019年)では、その優しげな顔立ちとふんわりした雰囲気、飾らない笑顔が周りを和ませる、「ほっこり」な女性を演じた。さらに『獣になれない私たち』(日本テレビ系/2018年)では、恋人と関係を解消した後も、同棲していたマンションに居座り続け、好き放題に行動し、相手を困らせ続ける「アブナイ女」を演じている。かと思えば『イチケイのカラス』(フジテレビ系/2021年)では、エリート意識が高く、冗談が通じない「カタブツ」な女性も演じた。どの「女」もドラマの中で存在感を発揮し、印象に残る。


 黒木が今回、演じる凛々子は他人の気持ちを理解したり、場の空気を読んだりすることは苦手だが、優れた洞察力を生かしてちょっとした矛盾や誤りを見抜く能力に長けた女性。そのため、経理部時代はその厳しいチェックぶりから地獄の番犬・ケルベロスとも呼ばれており、「カンフルNEWS」でも、殺気立つような仕事ぶりを見せる。だが、周りの社員のゴシップが好きというちょっとミーハーな部分もあるようだ。


 近年、『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ系/2021年)、『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系/2021年)のように編集部を舞台にしたドラマがいくつかあるが、黒木もかつて『重版出来!』(TBS系/2016年)で漫画雑誌の編集部に籍を置いている。しかし今回は、同じ編集部でもWebメディアの編集と少し系統が異なる。個性豊かな同僚たちに囲まれる中で、黒木がほっこりでもカタブツとはまた異なる、どんなキャラクターを演じてくれるのか、今から楽しみである。


(久保田ひかる)