元F1ドライバーで、1996年にチャンピオンを獲得したデイモン・ヒルは、ルイス・ハミルトンはメルセデスでジョージ・ラッセルを“サポート”したいと思うだろうと考えている。しかしヒルは、ラッセルが7度の世界チャンピオンであるハミルトンを“完敗”させようと期待して2022年シーズンに臨むことはしないように忠告している。
ラッセルはウイリアムズで印象強い3シーズンを過ごし、2022年より世界チャンピオンチームであるメルセデスへ移籍する。23歳のラッセルにとって大きな飛躍であり、若き才能の持ち主である彼には大きな期待が寄せられている。
しかしヒルは、ラッセルは、アブダビでマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に手痛い敗北を喫してその復讐を決意したハミルトンに対峙するはずだが、溢れる自信に間違ったアドバイスを加えられてシーズンに入る可能性があると考えている。最初からハミルトンを挑発することはラッセルにとって逆効果になるかもしれず、メルセデスでのチームメイトを協力者ではなく敵に変えてしまう危険があるとヒルは警告した。
「これは見ものだと思う」とヒルは『Express Sport』のインタビューで語った。「ルイスはジョージを励ましたいと思うだろう。それが間違った方に行くとは思わない」
「ルイスは、F1での時間がジョージよりも短いことを認識していると思うから、彼はサポート役を果たそうとするだろう。彼がそれを必要とするかは分からないが」
「ジョージ次第だ。彼がどのようなアプローチを取るかにかかっていると思う。こうした状況に入っていって、『よし、あそこに敵がいる。出ていって打ち負かしてやろう』と考えることもできる」
「だがそれはルイスに対する最も賢明な態度ではないかもしれない。私はそうは思わない。そこが来年楽しみなところだ。何が起きるか、私もみんなと同じようにエキサイトするだろう」
元F1世界チャンピオンであるジェンソン・バトンも、ヒルの考えに賛成だ。ラッセルは期待をコントロールし、メルセデスでのポジションを築き上げていく方がいいという。
「自分にプレッシャーをかけてはだめだ。『マシンに乗り、初日からルイスより速くなれる』と考えてはいけない」とバトンは述べた。
「彼は築き上げていかなければならない。そうでなければ、墓穴を掘ってしまう。ルイスがいる場合、自分を過信することはできないよ」