FIAのシングルシーター技術事項責任者であるニコラス・トンバジスは、F1の最も速いマシンと遅いマシンのパフォーマンス差について、F1の新レギュレーションによって2022年シーズンには最終的に半分になるだろうと考えている。
F1の刷新された技術ルールは、主にマシン同士が近づいて追いかけ合うことで激しいレースが生まれ、それによりオーバーテイクのチャンスが増えるように作られている。
この目的を達成するためにF1は、“グラウンドエフェクト”によるダウンフォースを、先行車の後ろに乱気流を作り出して後続車を著しく不安定にさせるウイングではなく、フロアから生じさせることに重点を置いた。
空力の変更が、コース上でのショーの改善に効率的かどうかは、時間がたたないと分からないだろう。しかしトンバジスは、新レギュレーションによって2021年のトップと最下位のマシンの平均ギャップ3秒が1.5秒に縮まるだろうと考えている。
「新形式の最初の年に、(前の)シーズンを上回ることができるとは想像し難い」とトンバジスは『Auto Motor und Sport』に語った。
「しかし重要なのは、我々が自身に設定したふたつの目標を達成しているということだ。戦いの場は接戦となり、他のマシンを追いやすくなるはずだ」
「現時点では、トップと最下位の差は約3秒だ。2022年の終わりまでに、それが半分になることを期待している。何がうまくいき、何がうまくいかないかが明確になれば、マシンはすぐに調整されるだろう」
またトンバジスは、介入が必要とみなされた場合は、F1とFIAがシーズン中にレギュレーションを微調整することがあると述べている。
「もし物事が意図された通りに運ばなかったら、シーズン中に調整が行われると予想している」
F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、差を縮めることは2022年シーズンを通して段階的に行われるというトンバジスの考えに同調した。
「開幕戦から激しい接戦が見られるかと言われたら、私はそうは思わない」とドメニカリは『Sport 1』に話した。
「だがマシンのさらなる開発についての制限やバジェットキャップによって、差はすぐに縮まるはずだ」
「いずれにせよ、私は新しいマシンをとても楽しみにしている。一部はシルバーストンで公開されたモデルとは違う外見になるだろうと聞いた。私自身としては好奇心がある」