トップへ

お正月の風物詩「凧揚げ」 どこならやって「OK」なの?

2022年01月02日 09:11  弁護士ドットコム

弁護士ドットコム

記事画像

正月の風物詩の凧揚げ。どこで遊ぶことができるのか。


【関連記事:花嫁に水ぶっかけ、「きれいじゃねえ」と暴言…結婚式ぶち壊しの招待客に慰謝料請求したい!】



インターネットを検索すれば、たとえば、東京都の新宿御苑(新宿区)や若洲公園(江東区)などは凧揚げを「ご遠慮ください」と明文化している。



どのような理由や根拠によるものなのか、都内の公園について、国(環境省)、東京都、各区が管理する公園の凧揚げルールを調べてみた。



●新宿御苑はなんでダメ?

新宿御苑は、環境省が管轄する「国民公園」のひとつだ。ほかに、皇居外苑と京都御苑もこれに該当する。だが、国民公園の管理規則で定める禁止行為に、「凧揚げ」と書かれた条文はない。



環境省によると、新宿御苑が制限している理由は「適当でないと認めて制止する行為」(4条12号)と考えられているからだという。



「新宿御苑には高い木もありますし、引っかかるような可能性があるとも考えられますから、そのような理由で制限しているのでしょう」(環境省)



凧揚げしているのが見つかると、職員が退園を命じることもできる。





●都立公園は?

では、東京都が管理する「都立公園」に制限はあるのかというと、都の建設局が管理する83の都立公園では、禁止されていない。



一方、同じ都立でも、港湾局が管理する36の海上公園(開園中のものに限る)のうち、凧揚げが許可されているのは、葛西海浜公園ただひとつだけ。



建設局は「都立公園では凧揚げを禁止していませんし、できる・できないを特に決めていません。ほかの来園者に危険を及ぼすやりかたや、迷惑になるような利用のしかたが見受けられれば、制限するかもしれません」と説明する。



港湾局によれば、海上公園条例においては凧揚げ自体を禁止する規定はないものの、「海上公園の管理運営に支障を及ぼすおそれがある行為」として捉えられて、制限されているという。



「たとえば、若洲海浜公園や城南島公園では、近くにヘリポートや羽田空港に離着陸する航空機が頻繁に通るため、東京港野鳥公園では、野鳥への脅威となりうるため、制限されています」(港湾局)



そもそも原則として、空港等の周辺で凧揚げすることは、航空法施行規則で禁止されているのだ。



海上公園で唯一、凧揚げのできる葛西海浜公園でも、天候状況では利用できないこともあるという。



若洲海浜公園の指定管理会社によると、やはり正月には、凧揚げを目的として来園する子ども連れなどが増えるが、見つけ次第、声をかけているそうだ。



「区でも、それぞれ対応は異なるようですが、たとえば江東区が管理する若洲公園では凧揚げは禁止していますね」(指定管理会社)





江東区によれば、江東区立公園では、凧揚げを禁止はしていない。だが、公園を実際に管理する指定管理会社などが定めたルールとして凧揚げを禁止しているところはあるという。



たとえば、江東区立若洲公園でも、東京ヘリポートが近いことから、凧揚げは禁止だ。



「区としては禁止していませんが、航空法の規制の範囲内で遊んでもよいという認識です。もちろん、危険な行為として地域から連絡があれば、禁止もせざるをえません」(江東区)として、周囲に気を配りながらの凧揚げを呼びかけた。



●事前確認と周囲への配慮が必要

全日本スポーツカイト協会では、会員に向けて、許可された公園、河川敷や海岸等での凧揚げを呼びかけている。



「許可された公園であっても、実際は、都会の公園は建物で風が遮られ、ほとんど飛ばすことが難しいです。飛ばせるのは広い公園に限られます」(協会事務局)