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ジュノ、ソ・イングク、ソン・ジュンギ 韓国ドラマ界を牽引する俳優たち【30代編】

2022年01月02日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

ジュノ『袖先赤いクットン』(MBC公式サイトより)

 『ヴィンチェンツォ』、『賢い医師生活』、『イカゲーム』、さらには『恋慕』など数々のヒット作が誕生し、2021年も日本のみならず世界中で更なる勢いを持って人気を博した韓国ドラマ。緻密な脚本と卓越した演出力はもちろんだが、高い演技力と華やかなビジュアルを誇る俳優たちも、劇に没入させる大きな要素だろう。本記事では、昨年に引き続き2022年も韓国ドラマ界を引っ張っていくだろう俳優3人を、おすすめの出演作とともに紹介したい。【30代編】


【写真】ドラマ『ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた』でのソ・イングク


■ジュノ(2PM)


 現在韓国で放送中の史劇『袖先赤いクットン』で、本国を席巻しているジュノ。除隊後復帰作となった本作は、何度も映像化されてきた第22代王イ・サンと女官の切ない愛を描く歴史ロマンスで、『恋慕』や『ホンチョンギ』など史劇ラッシュとなった2021年下半期の作品群の中でも一際光っている。2022年4月より日本初放送され、きっと大きな話題となるだろう。


・『ただ愛する仲』


 そんな“演技ドル”という肩書きに留まらない演技力を披露しているのが、12年前に発生したショッピングモールでの事故で、奇跡的に救出され生き残った2人の男女が、互いに心を癒していくヒーリングラブストーリー『ただ愛する仲』。人は悲劇に見舞われた時、どのように立ち上がり、どのように心を癒していくのか、『応答せよ』シリーズや『賢い医師生活』のように、どこにでもいる普通の人達の心を繊細に丁寧に描いた感動作だ。ジュノは、事故で夢と家族を失い、ただ苦痛に耐える毎日を生きてきた孤独な青年ガンドゥを熱演。無気力だったガンドゥが、同じ傷を抱える女性と出会い、愛を知り変わっていく。彼は危険なオーラを放ち、空虚な目つきでカンドゥの人生を繊細に表現した。


・『キム秘書とソ理事~Bravo! Your Life~』


 彼の作品でもう1作、外せないのが『キム秘書とソ理事~Bravo! Your Life~』。詐欺師まがいの手口でピンハネし小金を稼いでいた会計士が、大金を稼ぐべく大企業の経理課長“キム課長”となり、入社をきっかけにある不正に気づいたことで、“正義”に目覚め、社会の不条理と戦っていく痛快オフィスコメディ。『ヴィンチェンツォ』の脚本家パク・ジェボムが手がけた作品でもあり、『ヴィンチェンツォ』ロスも必見だ。ジュノは、グループ会長の右腕である財務取締役として、主人公のキム課長と対立を成すライバルであり、悪役であるソ理事を演じた。悪役といえど、深刻な状況でも笑いのポイントを織り混ぜ、人間的な魅力により「憎みきれない悪役」を演出している。


■ソ・イングク


 ドラマ『ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた』、『ショッピング王ルイ』をはじめ、映画『パイプライン』、『オオカミ狩り』などジャンルの境界を行き来して常に新しいキャラクターを創造してきたソ・イングク。2021年は日本でも人気を博した『ナビレラ-それでも蝶は舞う-』にも特別出演。2022年は、男の巫になった元プロファイラーが繰り広げるミステリーコミカル捜査劇『美男堂-事件手帳』に出演が決定しており、原作がKakaoPageで連載され、15万もの読者を集めた大ヒット小説を原作にしているだけに、さらなるブレイクとなりそうだ。


・『空から降る一億の星』


 愛を知らず、まるでゲームのように他人の心をもてあそぶキム・ムヨン(ソ・イングク)が、ユ・ジンガン(チョン・ソミン)と出会い、数奇な運命に翻弄されていく珠玉のラブストーリー『空から降る一億の星』。北川悦吏子脚本、明石家さんまと木村拓哉のダブル主演の同名日本ドラマの韓国リメイク作品だ。切ないラブストーリーはもちろんだが、甘えたかと思えば、突然冷たい態度を取るというイングク演じる魔性の男キム・ムヨンが、本作の大きな魅力の一つ。劇中、「ムヨンさんにハマった女は絶対に抜け出せない」というセリフが登場するが、まさにこの作品は彼のミステリアスな魅力に骨抜きになる作品だ。


・『元カレは天才詐欺師~38師機動隊』


 邦題からラブコメを連想する人も多いだろうが、本作は『ヴィンチェンツォ』のように「悪を悪で成敗する」スカッとするサイダードラマ。イングク演じる詐欺師とマ・ドンソク演じる税金徴収課の職員ら愉快すぎる仲間たちが協力して、税金を払わない悪徳金持ちたちを次々とぎゃふんと言わす痛快なストーリーを展開する。本来悪であるはずの詐欺師が世のために詐欺を働くという、裏の裏をついてくるストーリーが斬新だ。詐欺の手口が実際あった事件を題材にしているため、巧妙で練りに練られていて、観ているこちらまで完全に騙されてしまう。最大の見どころは、自由自在に変身演技を繰り返したイングクの詐欺師っぷり。チンピラから市の職員、胡散臭い社長までとにかく多彩で、彼の表現力の幅広さとその凄みを実感せずにはいられない。


■ソン・ジュンギ


 2021年日韓で話題を独占した『ヴィンチェンツォ』。本作でソン・ジュンギは、完璧なスーツ姿に冷たい眼差しで大人の余裕を見せつけただけでなく、適材適所で笑いを誘うコミカルな演技で新たな境地を開き、トップスターの座に返り咲いた。2022年に出演が決定している新ドラマ『財閥家の末息子』では、財閥一家のオーナーリスクを管理するための秘書が、財閥家の末息子チン・ドジュンとして生まれ変わり、2回目の人生を生きるファンタジー作品だそうで、また新たな彼と出会えそうだ。


・『太陽の末裔 Love Under The Sun』


 韓国ドラマにハマった人なら一度は聞いたり目にした事がある作品だろう。最高視聴率41.6%という脅威の数字を叩き出した本作は、異国の地に派遣された軍人と女医が極限状況の中で使命を果たしながら愛を育んでいくヒューマンラブストーリーだ。頼もしいと同時に優しくお茶目なジュンギ演じる特殊部隊のエリート軍人シジン。ウィットに富んだ言葉でヒロインをからかったと思えば、「ワインを飲む?」とに聞かれ、「飲む方法がある」と不意打ちキスしたり、素直になれないヒロインをまっすぐに見つめ、「僕の想いのほうがずっと強いから」と真っ直ぐに想いを伝える。さすが数々の名作を生み出したキム・ウンスク作家、女心をよく知っている。


・『トキメキ☆成均館スキャンダル』


 ジュンギが一躍、脚光を浴びた作品が本作だろう。イケパラ史劇といえば必ず名前が挙がる作品で、日本では「韓ドラにハマるきっかけになったドラマ」という視聴者も少なくないのではないだろうか。本作は、女子禁制の名門校、「成均館」に入学したユニ(パク・ミニョン)と、国の未来担う若きイケメンエリートたちが繰り広げる青春ラブストーリー。日本でも人気を博している『恋慕』と同じく、“男装女子”の「バレてはいけない」ドキドキと、タイトル通り花のイケメン集に“トキメキ”の連続。単なるイケパラロマンスではなく貧富格差、男女格差といった社会問題もうまく組み込まれ、ほどよく重みがあるのもポイントだ。彼が演じたのは大金持ちの息子で、プレイボーイの一面を持つク・ヨンハ。派手な衣装に身を包み、無類の酒好き&女好きだが、鋭い観察力と聡明さを持ったエリートだ。彼のスター花道の始まりの初々しい姿は見逃せない。


(Nana)