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気分はリアル戦車道 手作り戦車でのサバイバルゲーム

2021年12月27日 18:01  おたくま経済新聞

おたくま経済新聞

気分はリアル戦車道 手作り戦車でのサバイバルゲーム

 今では男性ばかりでなく、女性プレイヤーも多く参加するようになったサバイバルゲーム。野山を舞台にしたフィールド戦や、屋内でのインドア戦など様々な種類がありますが、基本は歩兵戦で行われるもの。


 しかし和歌山県には、手作りの「戦車」で機甲戦を楽しむ人たちがいます。まるでアニメ「ガールズ&パンツァー」のようです。


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 屋外や屋内のフィールドで、エアソフトガンを使ってプレイするサバイバルゲーム。プレイヤーによって使用する道具は違いますが、戦闘の種類としては歩兵同士の戦いである歩兵戦と共通しています。


 ところが、和歌山県のTwitterユーザー「機甲師団長」さんたちは少々違います。フィールドを走り回るのは、人間ではなくお手製の戦車。歩兵戦ではなく、戦車や装甲ハーフトラックを使った「機甲戦」を楽しんでいるのです。


 機甲師団長さんに話をうかがうと、戦車を自作するようになって、もう10年になるんだとか。「最初は軽いノリで、友達となんとなく『戦車作ってみよう』ということで始まりました。初めに作った装甲車は解体されてありませんが、サバイバルゲームに持っていって多数の問題点があり、それを改修していく形で2台目、3台目と増えていきました」とのこと。


 現在、稼働状態にあるのは3台目の作品からだそうで、ベースになっているのは小型の建機や運搬車といったクローラ式の車両(装軌車両)。そこに戦車や装甲車をイメージしたボディを架装して作られています。


 乗って楽しむことを優先しているので、細かいディティールは追求せず、ゆるく楽しむ方向性だというミニサイズの戦車たち。それでもV号戦車パンターやVI号戦車ティーガー、Sd.kfz.250/3と、モデルになった車両は一目で分かりますね。


 自作戦車でサバイバルゲームをする際は、必ずフィールド管理者に問い合わせ、使用許可を得てから出かけるという機甲師団長さん。もちろん、公道を走行することはできないので、フィールドへは大型の回送車やトラックに積載して向かっているそうです。


 通常のサバイバルゲームであれば、自分の体にBB弾が命中したことを自己申告してゲームから離れます。しかしこの「機甲戦」では、車体の装甲に守られているため、自分に命中したかが分かりにくそう。どのようにプレイするのでしょうか。


 ルールについて機甲師団長さんに質問すると「武装はエアソフトガンを載せていて、撃破判定は主に風船になります」とのこと。戦車や装甲車に乗車したプレイヤーは、エアソフトガンで相手の車体につけてある風船を狙い、割られたら「撃破」扱いになるそうです。


 見かけは立派な戦車ですが、ベースとなっているのは小型の建機や運搬車なので、速度はあまり出ず、結構のんびりとした戦いとなるのが楽しそう。アニメ「ガールズ&パンツァー」で描かれる戦車道も、実際のサバイバルゲームに落とし込むと、こんな感じになるのかもしれません。


 ゲームに参加しなくても、広いフィールドの中をのんびり走り回るだけで楽しそうな戦車たち。サバイバルゲームには、こういう楽しみ方もあるんだと再認識させてくれる存在ですね。



<記事化協力>
機甲師団長さん(@takahei0125)


(咲村珠樹)