勤務先の会社がM&A(企業の合併と買収)によってブラック企業化したエピソードが、キャリコネニュース編集部に届いた。組織体制や役員が変わったことで、苦境に立たされた人たちのつらい現実が綴られている。(文:林加奈)
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「譲渡元から移籍した職員は働かない人ばかり」
40代女性(東京都/医療・福祉)は、勤務先の会社が別会社に譲渡された。譲渡先の企業から「譲渡元から移籍した職員は働かない人ばかり」と揶揄された挙句「今月から給料を半額にします」と一方的に言い渡されたという。
「さらに、『ボーナスは譲渡元から移籍した人は少なく、譲渡後に採用した職員は多く査定しまう』という通知があった。譲渡元から移籍したほとんどの職員を配置替えして自主退職するように仕向けていました」
と怒りの声を綴る。
退職強要、追い出し部屋、パワハラで「買収された側の社員は激減」
40代女性(企画・マーケティング・管理職)は、勤務先の会社が買収されたのを機に、理不尽な扱いを受けていると訴える。具体的には
「・買収した側の企業が主要ポスト独占、公開処刑のように社員の前で買収された側の部長を降格した
・親の介護や子どもが小さく、遠方に行けない社員をあえて遠い地域へ異動させるなど、営業社員への退職強要
・追い出し部屋をつくり、そこでは仕事なし、名刺なし、異動を希望すれば『粘るわねぇ…』と言われる
・不明確な給与体系の導入。2~3割減で同意書のサインなしでも実行
・60代以上の雇用が明記されている就業規則を無視。事前に呼び出し、理由もなく契約しないという
・人事部長等のパワハラ。『何年やってるの?』『40過ぎて……』と、辞めさせ面談中にケラケラ笑ってる」
この結果、買収から1年で買収された側の社員は激減したという。女性は、「会社がこんな状態なのに、社長は合併前後の4か月間、新年すら社員の前に姿を見せていません」と憤りを露わにしていた。