isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
星乃せいこさんによる「毎月の運勢グラフ」も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
1ヶ月ごとの運勢グラフ 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
初心に返るべし
今週のおひつじ座は、一度は見失ってしまったものを、見つけ出していこうとするような星回り。
雪国などでは、雪の下に埋まって行方が分からなくなった人を見つけ出すのに、よく犬を使ってきたそうですが、「此巨犬(このおおいぬ)幾人雪に救ひけむ」の作者・石島雉子郎は、そうした救助犬の1匹を見たのでしょう。
この目の前の大きな犬も、これまで幾人もの人間を雪の中から救い出してきたのだろうと、その姿に見とれてしまった。あるいは、人間の力では決して見つけることのできないものを救い出してくれる美しい獣を前にしたとき、自分が見失ってしまった何かもまた再び見つけ出すことができるかも知れないという希望が、不意に灯ったのかも知れません。
あなたもまた、繋がりの切れていた思いや相手と、改めて繋がりを結び直していくためのきっかけを掴んでいくことがテーマとなっていきそうです。
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内発性に舵をきれ
今週のおうし座は、理性や合理性に従うのではなく、本能や直感にみずからを従わせていこうとするような星回り。
例えば、夜9時までには必ず入浴してくださいと伝えても、物忘れが進んだお年寄りはこちらの設定した「納期」に従ってくれない場合もありますし、言葉上であれ物理的にであれ圧力をかけて無理に従わせようすればするほど、抗いは強くなるばかりです。
ところが「そろそろ船がきますよ」というと、ぜんぜん言うことを聞いてくれなかったお爺さんが、浴室に入ってくれたりする。聞けば、そのお爺さんは若かりし頃、太平洋戦争の終戦を大陸で迎え、同胞と闇舟を手配して命からがら日本に戻ってこられた人で、「船がくる→水場に入る」という動きは、いわば本能に直結したものだった訳です。
あなたもまた、そうしたお年寄りと同じで、何事であれあまりビジネスライクに事を進めようとしてもなかなかうまくいかないでしょう。ではどうすればいいかと言うと、むしろ計画倒れをいっそ楽しんでしまったり、本能に直接訴えてくるようなことをきっかけに動いたりしてみるといいかも知れません。
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心地よいゆらぎを
今週のふたご座は、規則正しさよりも生々しいゆらぎを宿していくこと。
「衆(おほ)く有(ゆた)かに我らゝゝゝゝ虎落笛」(高山れおな)の「衆」とは、数が多いこと。「有」は何かが確かに存在していることをそれぞれ意味しており、じゃあ何がそうなの?という疑念を持たせておいたところに、「我ら」ときて、さらに「ゝゝゝゝ」である。「我ら」の「ら」を音楽の「ララララ」のようにして、それを踊り字で表すことで、まるで跳ねた音符のように生命を持たせ、結びへと繋げていく。
「虎落笛(もがりぶえ)」とは、冬の寒風が柵や電線などに吹きあたってヒューヒューなる現象のことですが、ここではそれがある種の「わびさび」として、つまり存在することの悲哀や無常さを思い出させてくれる合図として、あるいは、確定化も定量化できない“間”としてあるわけです。
虎落笛がヒューと1つ鳴ると、次のヒューが鳴るまでに頭の中のアイデアや自分の中のいろいろな声が増殖していって、それがヒューとなると静かになったり、わけもなく哀しくなったりする。そうやってただ規則的にペタンと描かれた草むらのように存在していくんじゃなくて、いい感じにゆらぎのある、乱数的な自然に近づいていくこと。それこそが、今週のあなたのテーマとなっていくでしょう。
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役に立ったら負け
今週のかに座は、効率性を無視してでも、日々の生活をひとつの「語り」にしていこうとするような星回り。
心理学者の河合隼雄さんがどこかで書いていた話なのですが、心理療法家などが患者さんに「夢を言ってください」というときに、「プリーズ・テル・ミー・ユア・ドリーム」という代わりに、「Please relate your dream(プリーズ・リレート・ユア・ドリーム)」という言い方があるのだそうです。
「リレート」というのは「関係づける」という意味の動詞。名詞形の「リレーション」には、「関係」という意味だけでなく「物語」という意味もあります。
つまり、「プリーズ・リレート・ユア・ドリーム」というのは、事実と事実とをつなぐものが出てくるように、みずからを促してみてくれとか、言葉につまったり、言い淀んだりしてもいいから、何かそこに感じるものを盛り込みながらストーリーを作ってみよう、語りに筋を通してみよう、ということなんですね。あなたもまた、そうした1人の「語り/騙り手」となったつもりでストーリーを取り戻してみるといいでしょう。
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胸に去来するもの
今週のしし座は、もう何もないというところから、わずかに去来するものを見つめていくような星回り。
「わが命ここに極まり冴返る」(横井迦南)は、作者の遺書に書き添えられていたいくつかの句のうちのひとつ。妻に先立たれ、子供がなくて養子を育てたが親子の縁は薄く、天涯の孤客であったと書き記しているその心に去来した「冴え」とは、いったい何だったのだろうか。
冬の夜の静寂のなか、70余年の人生の感慨がながれている。はじめは複雑に絡まりあった心理としてあったものが、次第にほどかれていき、やがて透き通ったひとつの流れとなって「ここ」に極まっていったのかもしれない。
それはもはや生への悩みを捨て去って静かになった幽明の境地と言えるが、それでも、遺書だけでなく句を詠んだということは、やはり最後の微かな情が胸を打っていったに違いない。あなたもまた、これまで自分が為してきたことや結んできた関わりから、何らかの応答が返ってきやすいタイミングにあると言えるだろう。
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暮らしのデザイン思考
今週のおとめ座は、自分自身の「仕事」に繋がる、無数の可能性に開かれていくような星回り。
現代社会を生き抜いていく上で必要な“お金”を、どれだけ有意義に獲得していくか。そんな美学を持つためには、「労働」と「仕事」の区別や配分が必要となります。この場合の「労働」とは、他人が発想したことをもとに、その一部分として働くことにより金銭を獲得することを指し、「仕事」とはあくまで自分自身の頭で考えたことを、体を使って実行し具現化し続け、そのことに人生を費やすということ。
つまり、ここでは金銭を得るための効率性や方法のよしあしではなく、自分がいかに生きていこうとしているか、という生き様の有無や、それにどれだけの時間と手間をかけるかということが問題になってくるのです。
「いったい自分は何をしたいのか?生きていくためにはいくら必要で、それを獲得するためにはどういう働き方や配分にしていくのが自分なりのベストなのか」という思考が重要で、その中でどれだけ気持ちよくお金を得たり遣ったりして生きていけるかという話なのだと思います。あなたもまた、できるだけ既成概念ではなく自分という「ものさし」で生きていくための思考を取り戻していきたいところ。
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無数の泡が弾ける
今週のてんびん座は、水底から立ち昇る泡沫に酔いしれていくような星回り。
「第九」ことベートーヴェンの第九交響曲が12月の季語となったきっかけは、その昔、上野の東京音楽学校(現・芸大)の先生や学生たちによる演奏から始まったとされています。しかし、第九が年末の代名詞として完全に定着するようになった背景には、1950~60年代に最盛期を迎えた「うたごえ運動」があり、それに乗ったアマチュア合唱団が「第九」を歌い始め、そのコンサートに団員の家族や友人が駆けつけたことも大きかったようです。
「第九歌むかし音楽喫茶あり」(大石悦子)の「音楽喫茶」というのも、うたごえ運動の拠点として日本全国に広がった「歌声喫茶」のことであり、それは日本の工業化や農村離れが進むなか、失われつつある民謡や演舞などを再発掘するという民族主義的な側面も持ち合わせていました。
そこには多かれ少なかれ、抑圧に対する抵抗や反戦ということが本質としてあり、掲句においても作者自身の若かりし頃の貧しさやひたむきの純情などの残り香が、第九を通して立ち昇ってきたのでしょう。音楽であれ文学であれ、忘れられない表現には、必ずその人の享受した時と環境と心情とが、まるでレコードの溝のように刻みつけられているものです。あなたも、そうした経験の再浮上と不意に直面していくことになるかも知れません。
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関係だらけ
今週のさそり座は、改めて分け与える精神が強烈に注入されていくような星回り。
マレーシアのボルネオの熱帯雨林にて、移動生活を送っていたいくつもの狩猟採集民がしだいに定住化し消滅していくなか、いまだに昔ながらの暮らしを守っているプナン族という森の民がいます。彼らの特徴の1つが、モノを他人に分け与えること。それは純真な彼らが生まれながらに持っている美徳というより、後天的に部族全体で厳しく教育され、植え付けられていく彼らの信念に近いようです。
ある人類学者によれば、プナンの幼い女の子に何個か飴玉をあげたそうですが、はじめ彼女はそれらを独り占めしようとし、周囲の子どもが欲しそうにしても、飴玉を身に引き寄せて手放しませんでした。母親が注意し、促すとようやく女の子は飴玉を配り始めましたが、それはモノを独り占めし、個人の富を貯えるなら、その人の言葉はしだいに力を失い、周りから人々も去っていくという部族の教えに基づくものでした。
逆に、プナンでは与えられたモノをすぐさま他の人に分け与えることを最も頻繁に実践する人物が最も尊敬され、そういう人物はたいてい最も質素で、誰よりも見すぼらしいなりをしていて、ビッグマンと呼ばれるのだとか。あなたも、そうした幼児とビッグマンの狭間に立ちつつ、どちらに向けて自分が成長していきたいのか改めて実感を抱いていくはず。
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沈黙を受け止める
今週のいて座は、自分がこの先どこへ向かっていくのか、浮き彫りにされていくような星回り。
「墓参より戻りてそれぞれの部屋に」(波多野爽波)で詠まれているのは、兄弟の多い家族の親の墓参りでしょうか。切れもなく、どこかのっぺりと描かれており、そこはかとなく不気味な後味が残る句です。年末というのは特に慌ただしいものですが、私たちは普段から目の前の雑事に追われ、自分のことをこなすので精一杯で、他人のことを考えたり手間をかけたりするだけの余裕さえありません。
しかし掲句では、ともに墓参りするような間柄の親族や兄弟であっても、哀しいことをわかちあったり、うれしいことを共有したりするようなきっかけさえ与えられていない。その根底には、やはりのっぺりとした直線的な時間の流れがあり、墓から戻った「それぞれの部屋」もまた、どこか無機質な墓に他ならないのではないか、という現代社会への作者の皮肉とも悲哀ともつかない、ほのめかしが込められているように思います。
それでも、私たちもいつかは墓に入るのであり、そのことを真剣に考えてみれば、参ったはずの墓にも無数の先祖たちが眠っていて、繰り返される輪のようなもうひとつの時間の流れがそこに潜在していることにも思い当っていくはず。あなたもまた、自身の行く末や乗りつつある流れについて、できるだけ俯瞰的にまなざしてみるといいでしょう。
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普通の下の闇
今週のやぎ座は、「普通」の輪郭線をすっと跨いでいこうとするような星回り。
あるセラピストの女性の話によれば、マスコミ情報にがんじらがめになっていたり、固定観念のようにこびりついた幻想に振り回されて、自分の性にきちんと向き合えている男性、少なくともそうした考えを持てている男性は少ないそうです。
男性は、女性は、と頭の中で考えていることに囚われて、どうしても類型的なパターンの中で、つまり他人との比較のなかで自分を捉えようとしてしまう訳ですが、それは結局のところ、自分で自分に呪縛をかけることに他ならず、しかし性というのは単なる生理をはみだしているもので、大抵はそうしたパターンなんかにはおさまらないんです。
だから、どうしても自分の性ということに向き合っていくためには、固定観念から感覚をほどいていくというプロセスが必要になりますし、しかしそれは「普通」のひとが1番怖がっていることでもあるのではないでしょうか。あなたもまた、受け身に徹していくことで、ある種の憑き物が外れていくことがあるかも知れません。
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火のない所に煙は立たぬ
今週のみずがめ座は、自分でも意外なほどの感情の高ぶりに驚いていくような星回り。
「この枯れに胸の火放ちなば燃えむ」(稲垣きくの)の「この枯れ」とは、おそらく恋愛として絶望的な状況のことなのでしょう。そういう状況にあるのに、いや、そういう状況にあるからこそ、「胸の火」はより大きくなる。
相手へと、特定の対象へと向かう情念はより一層高まり、状況の冷えと反比例するかのように、内面の熱が際立って感じられているのです。ただ、「火放ちなば」とあるように、実際に胸の火を放つ、つまり自分の思いを実現するような行動をとることはこの時点ではこらえられており、そうしたギリギリのところでこの句は詠まれています。
おそらく作者の激情は、こうして書き留められ、句として昇華されることで、ことなきを得たのでしょう。もともと作者は演技をしていたこともあるので、これもある種の架空の役柄を演じているだけなのかも知れませんが、これほど激情を見事に捉えた句もそうそうないのでは。あなたもまた、はじめは“ふり”や役割としてこなしていたことに、いつの間にか情が湧き、熱情が芽生えていたことに改めて気が付いていくかも知れません。
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のほほーん
今週のうお座は、ひらすら「のほほーん」としているような星回り。
サッカーや野球は点を取らねばなりませんし、そのために闘志やチームワークが要求され、罵詈雑言も飛び交い、生産や累積が重んじられるスポーツであり、勝ち負けも明確ですから、アドレナリンが大量に分泌される系のスポーツとも言えるでしょう。しかし、今週はもっとダウナーです。
例えばサーフィンのように、波に身をまかせる、ゆだねることを基本として、自分の能力を弁えつつ、無理はせずに、的確な判断をくだす、他人の邪魔はしないし、必要があれば助けてもらう。どの波に乗ればいいのか、この波に乗るのか、それともやり過ごすのか、やり過ごすなら、どのようにやり過ごすのか。そこでは調和と解放が重んじられます。
「のほほーん」というのも、自分の性に合っていることが分かっていなかったり、身体が緊張しきって固くなったりしていれば、できないもの。慌ただしい季節ではありますが、だからこそ逆になるべく猫のように暇に過ごしていきたいものです。
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