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『カムカムエヴリバディ』ロバート役・村雨辰剛のマルチな活躍 庭師、筋肉体操、演技まで

2021年12月19日 07:21  リアルサウンド

リアルサウンド

村雨辰剛『カムカムエヴリバディ』(写真提供=NHK)

 『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)第6週から登場したロバート・ローズウッド(村雨辰剛)の存在感が光る。進駐軍の将校であるロバートは、買い物の時に英語が通じず困っているところを安子(上白石萌音)に助けられ出会う。この出会いはのちに、安子が“自身と英語”を改めて考えるきっかけをもたらすことになるのだ。


 そんな安子にとって重要な人物であるロバートを演じるのが、村雨辰剛である。実は村雨は、ほとんど演技経験がないまま朝ドラに抜擢された。この事実にも驚くが、さらに注目したいのがそのキャリアである。


 実は本業は庭師である村雨。23歳の時に造園業に飛び込み、見習い庭師として日々技術を磨いていた。その後、日本に帰化して村雨辰剛と改名するなど、なかなかドラマチックな人生を歩んでいる。その傍ら、長身と鍛え上げられたボディ、甘いルックスを武器にモデル・タレントとしても活動。筋力トレーニングの指導番組である『みんなで筋肉体操』(NHK総合)に出演したことで村雨の存在を知った人も多いのではないだろうか。さらに『趣味の園芸』(NHK Eテレ)のナビゲーターなど庭師としての知識を活かした仕事もこなしており、まさにマルチという言葉がぴったりだ。


【写真】庭師の仕事姿の村雨辰剛


 こうした魅力的なバックグラウンドや、磨き上げられた肉体の美しさ、日・英・スウェーデン語のトリリンガルであり、園芸にも長けているというタレント性の高さから、村雨はメディアに取り上げられることが多かった。さらにSNSなどでも「イケメン庭師」として話題になり、バズることもしばしば。役者の経験は少ないものの、実は知る人ぞ知る“話題の人”でもある。


 本格的なお芝居は初といいつつ、実はドラマ出演において2019年放送の『ルパンの娘』(フジテレビ系)の第4話で「国際ロマンス詐欺に使われた写真」として出演した過去も。芝居こそ見ていないが、気づかずに一度は目にしていたという視聴者もいたことだろう。


 今回『カムカムエヴリバディ』では、安子にとって重要な転機をもたらす役を担い、その落ち着いた佇まいで安子の心の内を受け止めた。村雨の繊細な視線の動きや、スッと伸びた姿勢などは芝居慣れしていないとは思えないほど。これまでの厚みのある人生経験がこうした堂々とした姿に映し出されているのだろう。また、本作で重要な意味を持つ「英語」においても村雨は工夫していたと明かしている。村雨の出身地であるスウェーデンは、公用語がスウェーデン語であり、英語は第二言語であることから、村雨はこれまでにロバートの話すアメリカアクセントの英語を話してきたわけではなかった。そのため、今回はアメリカ英語を流暢に話せるように役作りをしたという。加えて、本作では日本語のセリフもある。母国語がスウェーデン語でありながら、勉強して習得した英語や日本語を使って芝居までできる多彩さには驚かされる。これまでに培ってきた様々なスキルが活かされ、初の朝ドラ出演でも大きなインパクトを残せそうだ。


 『カムカムエヴリバディ』の物語においても引き続き重要なポジションとなりそうなロバートの存在。安子にとっても頼もしい味方になりそうだ。そしてこの朝ドラ出演をきっかけに、村雨自身もますます羽ばたいていくことが予想される。彼の活躍にもまた、注目していきたい。


(Nana Numoto)