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「どの出来事も自分をドライバーとして成長させてくれる」フェルスタッペン、浮き沈みの激しい2021年を振り返る

2021年12月18日 06:10  AUTOSPORT web

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2021年F1第22戦アブダビGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは2021年シーズンを振り返り、気持ちがどん底にまで落ちこんだのはF1第10戦イギリスGPでクラッシュを喫して病院にいたときであり、反対に一番うれしかったのはホームレースの第13戦オランダGPで優勝したときだったと語った。

 2021年はF1の歴史上において波乱万丈かつ話題豊富なシーズンとなったが、開幕当初からその中心にいたのがフェルスタッペンと、彼にとって最も手ごわい相手であるルイス・ハミルトン(メルセデス)だった。

 彼らが互いに抱くライバル心は、レッドブルとメルセデスによるコース外での激しい主導権争いにも及んだ。F1ファンにとって格好のエンターテインメントとなった熾烈なドラマの数々を、ふたりのドライバーは生涯忘れないだろう。

 フェルスタッペンとハミルトンはシーズン序盤から一触即発の状態だったが、それが爆発したのはシルバーストンで行われた第10戦イギリスGPだった。ふたりはコプスコーナーで接触し、フェルスタッペンはそのまま高速でバリアに激突して51Gの衝撃を受けたのだ。

 フェルスタッペンは、2021年を振り返るなかで、「検査のために一晩中病院でじっとしていなければならなかった。気持ちがどん底にまで落ちこんだのは、間違いなくあのときだったよ。誰もあのような場所にいたいとは思わないからね」と語った。

 またタイヤがパンクしたために、悠々とリードしていたレースを終盤でリタイアするはめになった第6戦アゼルバイジャンGPも、彼にとっては「不愉快な」記憶となった。

「どの出来事も、最終的には自分をドライバーとして成長させてくれると思う」

 幸い、2021年のF1世界王者には、シーズン中に数々の素晴らしい思い出もできたようだ。特に感動的だったのは、36年ぶりに自国で開催されたF1オランダGPの勝利だという。

「ザントフォールトで、地元のファンと一緒に優勝できた。勝たなければいけないというプレッシャーは大きかったけれど、実際に勝てて本当にうれしかった」

「シーズンを通してみれば、幸運なことにいい思い出もたくさんできたと思う。モナコでは、自分のせいもあるし不運もあったけれど、これまで苦戦が続いていたから、勝てて本当によかった」

「オーストリアでも2勝できたし、もちろん今回、最後にこのレース(第22戦アブダビGP)で最高の結果を手にした。これが間違いなく今年のハイライトだ」

 1年間のさまざまな対立や論争を超えて、フェルスタッペンはコース上におけるハミルトンやメルセデスとの戦いを「本当に楽しんだ」という。

「僕たちには、いくつか節目となるような瞬間があったけれど、それらは選手権の一部なんだ」とフェルスタッペン。

「これでシーズンが終わったのだから、すこしリラックスしてもいいんじゃないかな。ずっと張り詰めていたしね」

「ほぼすべてのレースで、僕たちは互いに相手を限界まで攻め合ってきた。マシンについても同様だ。それは本当に素晴らしいことだと思っている」