レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、F1はまだマックス・フェルスタッペンの“全盛期”を目にしておらず、これからさらなるタイトルがもたらされるだろうと述べている。
フェルスタッペンは、シーズン全体にわたって繰り広げられた最大のライバル、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とのスリリングな一騎打ちの末、先週末アブダビで世界タイトルを獲得した。
24歳にしてすでに7シーズンの経験を積んでいるフェルスタッペンは、今後さらにシーズンを重ねて上昇を続けるとマルコは考えている。
「彼は能力を出し尽くしたドライバーではないことを私は確信している」とマルコは『BBC』に語った。
「ジェッダとアブダビでの最後の2レースで、我々は彼の予選パフォーマンスを目にした。彼は予選ラップを走行し、マシンがもたらすことができる速さをはるかに超えていた」
「それが、我々がまだマックス・フェルスタッペンの全盛期を見ていないと考える理由だ。勝つほどに彼はリラックスする」
フェルスタッペンはF1で4番目に若い世界チャンピオンである一方で、グランプリレースにおける最年少優勝者としての記録は今後何年も保持することになりそうだ。この記録は2016年のバルセロナで、18歳の時に達成されたものだ。
マルコはF3にいた若きティーンエイジャーだったフェルスタッペンを見出した当初から、前途有望な彼をモータースポーツの最高峰への最短コースに乗せることを心に決めていた。
「私が彼と初めて真剣な話し合いをしたのは、彼が15歳の時だ。私は彼がF3のレースに出ているのを見たが、他の誰よりもはるかに抜きん出ていた」とマルコは述べた。
「ウエットとドライのコンディションで、彼がそのレースを何マイル差もつけて優勝した後、私は彼と2時間近く話をした。普段私が若い人と話すのは20分くらいのものだが、私は非常に若い身体のなかに成熟した人格を持つ彼に驚かされた」
「彼の決意や勝利への意志……彼は何をしたいか分かっていた」
「我々は将来のことなどについて話をした。その2、3週間後に我々は言った。『他のジュニアシリーズのことは忘れよう。ストレートにF1に行くのだ』と」
マルコによると、フェルスタッペンは最初から学ぶのが早く、彼の性格や個性は何年にもわたって成熟してきているという。
「彼は非常に早く学んだ。とても感情的だが、ますますコントロールできるようになった」
「かなり頑固かもしれない。だが非常に強い個性を失うことなく成熟した。ただでさえ若くとても強気な彼の性格も、いっそう強くなっている」
「彼は自身の道を進んでいる。左や右を見てはいない。彼はメディアの報道やなにかにわずらわされることはない。これほど若いドライバーが、優れた仕事をすることに深く集中しているのを目にするのは素晴らしいことだ」
「幸いなことに、最初の世界タイトルを獲得できた。私はこれが最後(の世界タイトル)だとは思っていない。次のタイトルのために我々は懸命に取り組むだろう」