トップへ

『トヨタ・カローラTCR』初披露、マティアス・ロッシがシェイクダウン。2022年WTCR規則も更新

2021年12月16日 14:50  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

TOYOTA GAZOO Racing Argentina(TGRA)が2021年末までにシェイクダウンを実施する予定だと明かしていた新型『トヨタ・カローラGR Sport TCR(仮称)』
アルゼンチンの人気ツーリングカー選手権、スーパーTC2000(STC2000)に参戦するTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)と、その母体であるトヨタ・アルゼンティーナは、2021年末までにシェイクダウンを実施する予定だと明かしていた新型『トヨタ・カローラGR SPORT TCR(仮称)』のテストを実現。2022年の正式デビューと本格デリバリーに先立ち、その姿を初公開するとともに、TGRAのエースであるマティアス・ロッシの手でトラックデビューを飾っている。

 2020年夏にはプロジェクトの存在が確認され、2021年に入り正式なゴーサインが出た南米発のTCRモデル開発計画だが、この5月にもそのベースモデルが明らかにされ、トヨタのアルゼンチン/ブラジルの技術部門がデザインを担当した『カローラセダンGR SPORT』を選定。同社初の過給ダウンサイジングターボとして登場した2リッター直列4気筒エンジンの“8AR-FTS”型を搭載する。

 その5月当時からTGRAの広報担当者は「我々は今年の終わりまでに、このTCR車両の最初のテストとプレゼンテーションを実施することを計画している」と語っていたとおり、12月に入りアルゼンチン・コルドバ州北部アルタグラシアに位置するアウトドローモ・オスカー・カバレンに姿を現したニューモデルは、ロッシの手で最初のラップを刻むこととなった。

「新しいトヨタ・カローラTCRの初日だ。チーム全体で行われた素晴らしい仕事の成果もあり、現時点で本当に素晴らしいクルマに仕上がっている」と、自身のインスタグラムに綴ったロッシ。

■WTCRはポイント制度とウエイトに関する変更が発表
 この新型TCRモデルに関して、TGRAは「各国のネットワークと協力し、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアのチームに技術サポートを提供する予定」とし、南米市場に限定せずTGRAを窓口として、早くも2022年からのグローバルな販売を計画している。

 一方、その前日にフランス・パリで開催されたFIA世界モータースポーツ評議会(FIAワールド・モータースポーツ・カウンシル/WMSC)では、TCR規定ツーリングカー最高峰のWTCR世界ツーリングカー・カップを対象に、ポイント制度とコンペンセーションウエイトに対する多くの変更が発表された。

 この規則改訂は「フォーマットを洗練し、レースをさらに改善し、予選での戦略的要素を最小限に抑える」ためのものとされ、ポイントシステムの面ではリバースグリッドレース(勝利で25ポイント)と比較して、メインレース(勝利で30ポイント)に多くのポイントが付与されることに。予選でのポイントもQ1、Q2、Q3の全セッションで付与され、その獲得点数も10、8、6、4、2に増加している。

 また、コンペンセーションウエイトの最大補正重量が60kgから40kgに削減され、従来までの直近3戦から抽出した決勝ベスト2周のタイム平均値ではなく、直前に開催される“ふたつのイベント”で記録した『予選最速タイム』が計算に用いられる。

 各レース間の最小修理時間も60分の設定へと延長され、これはクラッシュやアクシデントでダメージを負ったマシンに対し、チームが確実にグリッドに車両を並べるための措置とされている。