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Looop「エネプラザ」が気候変動アクション環境大臣表彰で受賞

2021年12月14日 16:11  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
環境省は12月8日、「令和3年度気候変動アクション環境大臣表彰」の表彰式と受賞者フォーラムを東京ビックサイトにて開催。Looopが「イノベーション発掘・社会実装加速化枠」で受賞し、表彰式に参加した。


気候変動アクション環境大臣表彰は、環境省が気候変動対策推進の一環として行うもの。温室効果ガスの抑制対策などの気候変動の緩和、気候変動の影響による被害の回避・軽減対策となる気候変動への対応に対し、顕著な功績のあった個人や団体に贈られている。



環境省地球環境審議官の正田寛氏は、「わが国は2050年までに温室効果ガスの排出を全体として0にすること、2030年度までに温室効果ガスを2013年度比で46%削減すること、さらに50%の高みにまで挑戦していくことを宣言しました」と挨拶。



応募件数は合計133件。新型コロナウイルスの影響を受けてか過去5年間の平均応募件数157件からやや減少しているものの、このような状況での応募に選考委員会の槌屋治紀委員長は感謝の言葉を述べた。


○脱炭素に向け新しい街区の形を示す



Looopが受賞したのは、スマートシティのための分散型エネルギーマネジメントシステム「エネプラザ」の取り組み。イノベーション発掘・社会実装加速化枠は、二酸化炭素削減に資する技術の開発、実証などの実績を有するとともに、脱炭素社会構築に貢献するイノベーションの開発、実証と実用化向上に向けた卓越したアイデアの迅速かつ着実な社会実装ができる団体を表彰している。



エネプラザは、さいたま市と共同で浦和美園に自立分散型エネルギーシステムを開発したもの。スマートシティのための分散型エネルギーマネジメントシステムで、住宅街の各戸の屋根に設置された太陽光パネルにより発電された電力を、街区中央にある蓄電池やEVが備わったチャージエリアなどに集約。各戸にシェアでき、需給両面で再生可能エネルギーの利用率を最大限に高めていく。この仕組みが、脱炭素循環型コミュニティの実現に向けた先進的な取り組みを行っているとして評価された。



Looopの今回の提案は、脱炭素化とレジリエンスの両立に向け、街区全体でのエネルギーマネジメントや、モビリティとマイクログリッドを連携した新たな取り組みを行うものとなっている。モビリティとコミュニティの観点で新しい街区の形が示されたことも評価のポイントとなっており、今後幅広い関係者と連携し、事業化に向けた課題を解決し、社会実装が進むことが期待されている。



この日の表彰では、個人1件、団体30件の合計31件に贈られた。選考委員会の青柳恵美子副委員長は「地球の平均気温を遅らせるための行動や、温暖化という過酷な環境の中で生きていくための知恵はこれからますます必要になります。受賞された方には、今後それぞれの分野で活躍されることを期待しています」と話し、表彰式を締めくくった。(宮崎新之)