波乱万丈のF1第22戦アブダビGPで、マクラーレンのランド・ノリスとダニエル・リカルドのふたりは、1周を残してのリスタートを前にレースコントロールが実施したオーバーテイクの手順に混乱していたという。
ノリスは、レース再開直前にセーフティカーを追い越すことを許可された5台のマシンの先頭にいた。ノリスの後ろにはアルピーヌのフェルナンド・アロンソとエステバン・オコン、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)が続いていた。
しかしながらマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のすぐ後ろにいたリカルドとランス・ストロール(アストンマーティン)、ミック・シューマッハー(ハース)は追い抜きを許されなかった。このことがメルセデスと、FIAレースディレクターのマイケル・マシとの論争の一部となり、メルセデスによるレース結果への異議申し立ての根幹を形成することになった。
「結局のところ変な感じだった。彼らは周回遅れのマシンは追い越しできないと言ったが、一部のドライバーは追い越しをした。でも僕は許されなかった」と混乱したリカルドは話した。
「1周のみのリスタートになったけれど、僕はルイス(・ハミルトン/メルセデス)とマックスの真後ろにいて、なぜ僕がここにいるんだろうと思った。分からないよ。とても興味深いことだ」
5台の車列の先頭にいたノリスは、セーフティカーを追い抜いて周回遅れを解消することを許可されたが、同様にリスタートのやり方に戸惑いを覚えた。
「FIAがなんと言っていたのかよく分からない。最初はオーバーテイクはできなかった」と、波乱に満ちたレースを7位でフィニッシュしたノリスは語った。
「そのことが色々な判断に影響を与えて、メルセデスがピットストップを行わない理由になっていたらどうだろう。でもその後FIAは突然考えを変えて、僕たちに追い抜きをさせた。そこが僕がよく分からないところで、受け入れられない感じだ」
「ふたりのドライバーにはおめでとうと言いたい。でも判断に関しては、あのように終わることについて僕はなんとも言えない」
ノリスには、先頭のふたりが決着をつける最後の1周のために前を空けるというレースコントロールの判断は、明らかに“テレビのため”であるように見えるという。
「(追い抜いたのは)マックスの前にいた最初の3、4台だけだったとは実際のところ知らなかったんだ」とノリス。
「だからバトルのためにそうなったのは明らかだ。もちろんテレビのためにね。結果のためだ。それが公正であろうがなかろうが、僕が決めるのは難しいことだ」