オレカの創設者であり社長を務めているユーグ・ド・ショーナックによると、フランスのコンストラクターは最近締結されたアキュラ、アルピーヌ、フェラーリとの各パートナーシップに対応するため、スタッフの数を増やしているという。
オレカはここ数週間、ステージの中心に立ってメディアに取り上げられる存在となっている。その訳は、アキュラとアルピーヌがLMDhプログラムでオレカとの提携を発表したためだ。また、オレカがフェラーリとパートナーシップを締結し、2023年に登場予定の新しいGT3カーの製作、ならびにカスタマーサポートを提供するという話題も一因に挙げられる。
これらの提携を加味し、オレカはシグネスとマニ・クールにある両施設でのオペレーション体制を拡大させている。
ド・ショーナックは、「正しい方向に進んでいるものがたくさんある。これは良いことであり、私はそれに誇りを持っている」とフランスの『Endurance-info』に語った。
「これは私たちのダイナミズムと会社のそれを示している。オレカは決して諦めないことで知られているんだ」
「我々が生きているこの期間は良いものだが、すべてが空から無条件で落ちてくるわけではない。それは長年にわたる努力の賜物だ。私たちはつねにボトムにいるんだ」
同氏は採用プロセスが課題であったことを認めつつ、さまざまなポジションを埋めるために約20人を新たに採用する手続きを進めていると述べた。
「人材の確保は進んでいるが、私たちが望むほど展開は早くはない」とド・ショーナック。
「ヨーロッパでは候補者が不足している。これはモータースポーツ業界に限ったことではないがね」
「オレカはテクニカル部門と商業部門で各20名ほどの人材を募集している。私たちにとっては、いまスタッフを採用できるかどうかが問題だ」
同社には最近、新しいテクニカルディレクターとしてレミ・タフィンが加入した。ド・ショーナックは、ルノー/アルピーヌF1でオペレーション兼テクニカルマネージャーを務めていた彼が、オレカのすべてのプロジェクトに完全に馴染むまでにはもう少し時間が掛かると認めたものの、自然な流れでグループ内に加わっているという。
「レミ・タフィンのキャリアは素晴らしいものだ。彼の加入はアンサンブルに良い基盤を与えてくれる。ただし、レミがオレカのピラミッド全体を見て回るのには数カ月は掛かるだろう」
オレカは2023年から2028年まで続くフェラーリとの契約により、新しい跳ね馬のGT3マシンの製造とカスタマーサポートに対応するために施設を拡張することになる。
一方のLMDhに関しては現在、すべてが計画どおりに進んでいるという。ド・ショーナックは、「COVID-19が我々のリズムを乱さないことを願っている」と語った。
「アキュラ版LMDhカー『ARX-06』のシェイクダウンは2022年上半期の終わり頃が予定されている」
「アルピーヌについては2024年のプログラム開始を考えると、それよりも遅くなるはずだ」
これに加えて同氏は、オレカがフェラーリのル・マン・ハイパーカー(LMH)プロジェクトに関与しているという噂を否定し、そのようなことが検討されたことはないと述べた。