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ひたすら絵を描き続けた少女の18年後 プロ漫画家が「中学生時代に描いた年賀状」をリメイクすると?

2021年12月14日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

動画サムネイル(https://youtube.owacon.moe/watch?v=2lRJOSowwz0)より

 各種アプリやウェブサービス、SNS等の隆盛により、漫画やイラストを発表する場が急増し、ウェブ発の人気作品・人気作家も多く誕生している昨今。ステップアップを目指すクリエイターもそれだけ多く、プロ漫画家やイラストレーターがその技術と知識を伝える動画が人気を博している。漫画やイラストの「添削動画」や「解説動画」が代表的だが、より企画性を高めた気になる動画も少なくない。


(参考:【写真】プロ漫画家が「中学生時代に描いた年賀状」をリメイク。ビフォー・アフターは?


 家族やアシスタントも出演するアットホームなチャンネルで、そんなバラエティ豊かな動画を届けているのが、漫画家の慎本真(しんもと・しん)氏だ。「ゲンロン ひらめき☆マンガ教室」でゲスト講師を務めるなど、技術を伝えることに長けた作家だが、絵を描くことにそれほど関心がない人にとっても興味をそそる企画を多く送り出しているのが面白い。


 そんな慎本氏が12月11日、「【18年後】中学生の頃の年賀状をプロになった絵師がリメイク!描き続けるとこうなります!」と題した動画を公開。「恥ずかしいけど、プロとしては、過去を振り返るのも大事だからね」と、小学生時代にまでさかのぼり、自身が描いたイラストを公開していった。


 素人目にも、小学生時代から明らかに絵が上手だということがわかるが、年齢を重ねながら、その時々で興味の方向もフォーカスする技術も変わっていくのが面白い。そのなかでピックアップされたのが、2004年、中学生時代にクラスメイト宛ての年賀状に描いたイラストだ。今回は18年後、プロ漫画家になった慎本氏が、自らこのイラストをリメイクし、来年の年賀状に仕上げるという。


 アシスタントのエスくんとともに、過去の絵を参考にペンを走らせていく慎本氏。詳細は動画を見ていただきたいところだが、早送りで美しく仕上がっていくイラストはもちろん、アシスタントや家族との掛け合いも楽しめるのが、このチャンネルの特徴だ。


 絵を描きながら、いつものように雑談がスタート。慎本氏のもとには「自分の絵柄を作りたい」という質問がよく寄せられるそうだが、「私も思っていたけれど、できなかった」という。しかし現在では、ファンは「慎本先生の絵柄」を明確に認識しており、「私の中では自分の絵柄なんていまもなくて、私のクセが絵柄になっているんだと思う」と結論づけていた。


 中学生時代に描いた絵をリメイクしながら、「ずっと絵を描いてきた」「高校生の時、“絵を描いている”と友だちに言うのが恥ずかしくて、好きな先輩を追いかけたりもしたけれど、すぐに飽きて戻ってきた(笑)」と語る慎本氏。とにかく絵が好きで、ひたすらに描き続けた少女が、自分でも知らないうちに個性を獲得し、プロとして活躍するに至った、というストーリーが見えてくる。


 その物語の突端にいるとも言える、2021年現在の慎本氏は、果たしてどんなリメイク作品を描き上げたのか。本人はいつものように冗談を交え、茶目っ気たっぷりにトークを展開しているが、見ようによってはなかなか熱い展開である。完成した年賀状は、ぜひ動画でチェックしてもらいたい。


(向原康太)