「憧れのマイホーム」とはいっても、住宅購入の際はきっちり返済計画を立てて慎重になったほうがいい。都内の中古戸建てを購入したキャリコネニュース読者の体験談を紹介する。
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「あっという間に貯金がガッツリ減りました」
都内の40代前半女性(メーカー系/正社員/子ども1人)は世帯年収1600万円。現在持ち家で暮らしている女性は、住宅の購入経緯について次のように語った。
「2年前に都内の中古戸建てを購入しました。同じエリアの新築戸建てより1000万円以上安く、20平米以上広い家が手に入り満足。リフォーム費用で1300万円ほどかかりましたが、内外装ともに新築同様となりました」
「中古のため住宅ローン減税が2人で4000万円までしか適用されず、当初の予定のままだと完済が75歳になるため、繰り上げ返済も進めています。2年で頭金、リフォーム費用、繰り上げ返済で合計3000万円ほどの現金支出。固定資産税も数十万円ですし、家は思った以上にお金がかかります。あっという間に貯金がガッツリ減りました」
想像を超える手痛い出費だったようだが、住居費以外にも支出はかさむ。女性は、
「小学生高学年に向けて、子どもの教育費もうなぎのぼり。ピアノ、スイミング、習字、体操、塾と、週6回も通っている状態に。費用も毎月7万円ほどかかっています。食事も健康に気を遣って有機野菜などにしていますが、工夫して10万円に収めるようにがんばっています。が、イベントや来客があると簡単に超えてしまいます」
と頭を抱える。とはいえ贅沢をしているつもりはなく、「住居と教育と食費にお金をかけている分、かなりほかは質素に暮らしています」と女性は語る。
「目につく持ち物はブランド品にしていますが、財布もカバンも傘も靴も、手入れをしながらもう10年以上使っているものばかり。普段着はしまむらやユニクロばかりです。車ももう8年になる国産車。まだまだ乗ります」
また今後の家計方針については、「教育費を優先しつつ、無理のない範囲で繰り上げ返済を進めていきます」と述べていた。
ファイナンシャルプランナーの大野翠氏(芙蓉宅建FPオフィス代表)は次のように解説する。
<なるべく早い段階で住宅を購入し、可能な限り繰り上げ返済しておくことは、老後資金の面から考えるととても合理的であると言えます。なぜなら将来年金収入だけになった際、住宅ローンが完済されていれば住居関連費として固定資産税や火災保険料などだけでよく、家にかかる出費を最低限に抑えることができるからです。しかし一つ心配な点として、教育費がかかる時期の繰り上げ返済が果たして妥当かどうかということです。回答者様も「教育費を優先しつつ、無理のない繰り上げ返済」という方針を述べていますので、その通りでよろしいかと存じます。
一般的に子どもの教育費がかかる時期には、住宅ローン返済も重なることが多く、年収の多寡に関わらず家計管理上悩ましいポイントです。このようにさまざまな出費が続く時期に意識していただきたいのは「お金の優先順位をつけること」です。家計の中で最優先したい出費は何なのか、逆に抑えても良い出費は何なのか。あれもこれもの出費は、いくらお金があっても足りません。今回の回答者様のように「食事と教育費は優先」とし、「目につく持ち物以外はプチプライス」など工夫をすることは大事です。お金の優先順位と出費のメリハリを意識していただくと、節約につながり減った貯金もまた戻ってきます。>