F1最終戦アブダビGPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が優勝し、2021年F1ドライバーズタイトルを獲得した。2015年にホンダはパワーユニット(PU)サプライヤーとしてF1に参入したが、今年で活動を終了。その最終シーズンを、30年ぶりのF1タイトルで締めくくることになった。
■ホンダF1テクニカルディレクター 田辺豊治
2021年最終戦、アブダビGPが終了しました。レッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペン選手が優勝して、ドライバーズチャンピオンシップを獲得しました。
ホンダは2015年からF1に参戦し、チャンピオンを目指しここまで挑戦を続けてきました。ホンダF1参戦最後の年、最終レース、ラストラップでレッドブルのフェルスタッペン選手がトップに立ち、チェッカーを受けました。我々の努力と挑戦が報われ、本当に感無量です。
チームメイトのペレス選手については、PUのデータに異常が見られたため、最終盤にリタイアせざるを得ず、非常に残念に思っています。ただ、レースを通して、昨日に続いてすばらしいチームプレーを見せてくれました。
スクーデリア・アルファタウリ2台は、週末を通し見せていた、いいパフォーマンスをレースでも発揮してくれました。角田選手は4位、ガスリー選手は5位と、今年一番の結果になりました。角田選手は、F1初挑戦の今シーズン、最終戦で今まで積み重ねた経験を十分に発揮し、ベストリザルトにつなげてくれました。すばらしいドライビングだったと思います。ガスリー選手も、12番手スタートからいいパフォーマンスでポジションを上げ、アルファタウリとしていい結果でシーズンを締めくることができたと思います。
残念ながらコンストラクターズチャンピオンシップは逃しましたが、フェルスタッペン選手とともに、ドライバーズチャンピオンシップを獲得できたことを、本当にうれしく思っています。
今回のプロジェクトの7年間は、さまざまな苦労と喜びがありました。その中で、HRD-Sakura、HRD-UKをはじめとして、オールホンダのエンジニアやメカニックが決してあきらめることなく開発を続け、いくつもの技術的なブレイクスルーを成し遂げてきました。地道な研究と努力の結果が実を結んだと思っています。
また、我々とともに戦ってくれたレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリのメンバー、そしていままで一緒に戦ったすべてのドライバーに感謝の気持ちを伝えたいと思います。そして、苦しい時でもサポートを続けていただいたファンの皆さまにも、感謝を申し上げます。
これで我々の挑戦は終わりますが、この経験は、将来のホンダの技術に必ず生きると確信しています。ホンダはこの先も、あらゆる領域での技術への挑戦を続けていきます。本当にありがとうございました。