今季最終戦、F1デビュー以来22戦目にして、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)が初めてチームメイトのピエール・ガスリーを予選で破った。
今週末アブダビGPでの角田は初日から好調で、FP1でいきなり5番手タイムを出すと、FP2も7番手。いずれもガスリーのタイムをしのいでいた。その勢いは2日目になっても衰えず、まずFP3で6番手タイム。そして予選でもQ1を5番手で通過すると、Q2はミディアムを履いて8番手でQ3進出を果たした。
一方のガスリーは12番手で脱落。角田はQ3最初のアタックで4番手となる1分23秒011を叩き出すが、最終コーナーでわずかにはみ出し、タイムを抹消されてしまう。最後のアタックは幻の自己ベストにコンマ2秒及ばず、それでも8番グリッドを獲得した。
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──予選Q3の1セット目、残念ながら抹消されてしまいましたが、すばらしい走りでした。今季ベストのアタックだったのではないでしょうか?
角田裕毅(以下、角田):そうですね。スリップストリームもないなか、あのラップタイムを出せてよかったと思います。すべてのコーナーを限界で走りました。(タイム抹消は)残念ですけど、あそこまで攻められてよかったです。
──最後のセットはタイムを出そうと慎重になった?
角田:いえ、そういうわけではなくて、スリップストリームを使うことをアタック前から意識しすぎて、ウォームアップランのペースが少し速すぎた。それでタイヤがオーバーヒートしてしまいました。
──ターン16は、自分としてはいける感触だったのですか? それともリミットを超えるかもと感じた?
角田:ちょっとヤバいなと思いました。自分でもかなり限界だとわかっていました。白線がすぐ近くに迫っていたので。規則は規則ですし、(タイム抹消は)自分のせいです。
──エンジニアのマッティア・スピニから言われる前に、自分でわかっていた?
角田:はい。
──予選アタックに限らず、初日からここまで非常に順調な週末です。その点を取っても、今季最高のレース週末ですか?
角田:そう思います。
──ピエール・ガスリーに初めて予選で勝ちました。
角田:自信を持って走れていることが、この結果に結びついたのだと思います。これほど自信を持って走れたのは、開幕戦バーレーン以来でした。できればもう少し早くこの状態に持っていきたかったですけど、でも来季のことを思うと、最終戦でこの感触が得られたのはすごく大きいです。
──特にターン9は、非常に速く走れているように見えます。
角田:ええ。たぶん他のドライバーに負けていない自信があります。少なくともルイス・ハミルトン(メルセデス)以外には、負けていないと思います。僕だけ少しアプローチを変えて、縁石に乗って行くようにしたんですね。そこはFP1から練習していました。そうしたら他のドライバーもマネするようになりましたけど。
──この3戦、予選では安定して速いです。
角田:自分でもこの3戦、予選一発の速さがすごく改善されていると感じます。あとはレースですね。ミディアムタイヤでスタートできるのは、大きなアドバンテージだと思います。ただスタートで遅れる課題を、何とかしないと。それさえできれば、ポイントは必ず獲得できるはずですから。
──このレースを最後にホンダが撤退することについてはいかがですか。
角田:もちろん悲しいし、残念です。レースはどうなるかわかりませんが、予選ではマックス(・フェルスタッペン/レッドブル・ホンダ)がポールを獲得し、僕もQ3に進むことができました。明日はホンダのラストレースにふさわしい結果が出せるよう、ベストを尽くすつもりです。