米ニューヨークのスターバックス店舗で12月9日、直営店舗で初めてとなる労働組合の結成が決まった。投票結果が出たとたん、従業員たちは飛び上がって、大声ではしゃぎまわった。この様子を収めた動画がツイッターでも話題を呼んでいる。(文:中山道登)
動画は米ラジオ局、NPRのレポーターTom Dinki氏が撮影した。【動画は記事下、関連リンクから御覧ください】
Dinki氏のツイートによると、今回の3店舗のうち1店舗が組合結成に賛成、1店舗が反対、残り1店舗は票の有効性が議論になり、結論先送りになったそうだ。
なんで労働組合ができただけで、こんな喜んでるの? という話だが、もともとスタバは全米に約9000も店舗があるのに、直営店に労働組合はなかった。米労働省によると 、飲食業界は全米で組合化が最も進んでいない業界の一つだ。
特にスタバは、2019年に労働組合を作ろうとしたフィラデルフィアの店舗のバリスタ2人をクビにしたりしていた。この件は全米労働関係委員会の裁判官が「不当解雇」だったと結論づけた(判決文)が、スタバ側が上訴している。
その後、コロナ禍もあって労働環境が悪化。人手不足が深刻になる中で、[今年の夏に労組結成の動きが加速したそうだ。(11月7日付ブルームバーグより)
今回も、組合を作るための投票をすると決めた3店舗に、本社から「サポートマネージャー」が派遣されてきた。これに組合を作りたい側は「監視・圧力だ」と反発。会社側は「通常業務の一環です」と反論するなどし、注目を集めていた(10月18日付ニューヨーク・タイムズより)
さて繰り返しになるが、直営店で労組ができたのはまだ1店舗だけ。しかし、世界的ブランド企業での出来事だけに、他の会社への影響もありそうだ。今後の動きがどうなるのか、引き続き注目が集まることになりそうだ。