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タクシー、バスの労働者ら約半数が「カスハラ被害」…交運労協がアンケート結果公表

2021年12月10日 16:11  弁護士ドットコム

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タクシーやバスの運転手など、交通・運輸に従事する労働者の約半数に、客からの暴言など「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の被害経験があることが、交運労協(全日本交通運輸産業労働組合協議会)の組合員調査でわかった。「加害者」のほとんどが男性だった。同団体が12月10日、発表した。


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交運労協を構成する労働組合には計約60万人の組合員がいる。2021年5月20日から8月31日まで、組合員にアンケート調査をしたところ、2万908人から回答があった。



過去2年に利用者からの迷惑行為の被害にあったことがあるかを尋ねたところ、46.6%が「ある」と回答した。業種別ではタクシー、バス、鉄道の割合が高かった。



被害にあった人のうち、印象に残っている迷惑行為は、暴言が49.7%で最も多く、何回も同じ内容を繰り返すクレーム(14.8%)、威嚇・脅迫(13.1%)、権威的(説教)態度(9.4%)と続いた。暴力行為も2.8%あった。



一方、企業のカスハラ対策を聞いたところ、「特にない」が39.5%だった。



●SNSに晒される恐怖

交運労協では、数が少ないもののSNS・ネットでの誹謗中傷(0.8%)にも着目している。



「われわれ(交通関係の労働者)はネームプレートをつけていることが多い。撮影され、ネットにさらされると恐怖。まだ数は少ないが、これから増えていくだろう。どうするかが大きな課題だ」(交運労協・慶島譲治事務局長)

組合員からの自由記入でも次のような意見があった。



「クレーム対応をしている際に、写真を撮られるケースが増えてきており、至近距離で顔写真を撮られた経験があります。働く人の肖像権を守って欲しいです」(鉄道関係)

「イニシャル表記などにすることでリスク回避するマニュアルを整備すべきだと思います」(バス会社)

●コロナ理由の差別も

交通運輸業者は、コロナ禍でもリモートワークができない。コロナを理由とした差別などを受けたかを尋ねたところ、20.2%があると回答した。



具体的には、暴言(40.1%)のほか、消毒スプレー等をかけられた(7.9%)、同居家族が出勤や登校自粛を求められた(5.6%)、ネットで誹謗中傷を受けた(5.1%)、病院の診断・検査等を断られた(4.8%)などがあった。



●加害者は男性、高齢者に多い

カスハラ「加害者」は年齢別にみると50歳代(29.2%)が最も多く、40歳代(20.6%)、60歳代(20.5%)の順に続く。40歳以上の「中高年」で約8割を占める計算だ。性別は男性が86.4%と圧倒的に多かった。





交運労協の構成団体の中で、航空連合はほかの業種に比べても女性労働者の比率が高い。内藤晃会長は、セクハラや盗撮が問題になっていると語った。



慶島事務局長は「ストレスで離職・退職する人もいる」「問題の深刻さを理解いただきたい」などと訴えた。