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安東弘樹のクルマ向上委員会! 第50回 これなら息子に買ってあげたい? 安東弘樹、ホンダ「N-ONE」に乗る!

2021年12月08日 11:01  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
「このクルマだったら、息子が欲しいといったら買ってあげてもいいですね。ほかのクルマであれば『自分で買え』っていいますけど(笑)」。クルママニアの安東弘樹さんがここまでいうほど気に入ったのは、ホンダの軽自動車「N-ONE」だ。どこが好きなのか、同乗して話を聞いた。



※文と写真(一部)はマイナビニュース編集部の藤田が担当しました。


○シフトフィールに大満足?



ホンダが2020年11月に発売した「N-ONE」(エヌワン)は、レトロ感のあるデザインを特徴とする個性派軽自動車だ。グレードは「Original」「Premium」「Premium Tourer」「RS」の4種類。価格は159.94万円~202.29万円となっている。RSではターボエンジンに6速マニュアルシフト(MT)を組み合わせたタイプを選べる。



N-ONEは「2021-2022 日本カー・オブ・ザ・イヤー」(COTY、結果発表は12月10日)で、スズキ「ワゴンR スマイル」と「K CAR オブ・ザ・イヤー」を争っている。COTY選考委員としてN-ONEに試乗した安東さんだが、その評価は。まずは「RS」のMTで走り出した。


安東さん(以下、安):(発進してすぐ、シフト操作を行いながら)いいですね……あ、いい! シフトフィールが相当……いったん、ドライビングシューズに履き替えてこよう。ちょっと、待っててもらえます?



マイナビニュース編集部(以下、編):あ、はい。



安:(靴を履き替えて戻ってきて)お待たせしました!



編:本気モードですね(笑)。MTのシフト、そんなにいいんですか?



安:まず、6速まであるのがいいですよね。シフトフィールに関しては、最近発売になったあるスポーツカーよりも質が高いくらいです。位置がちょっと高めかなと思っていたんですけど、実際に操作してみると丁度いい。3速にいれるのが若干、遠く感じるくらいですね。



これまでのところの平均燃費は……19.6km/lか。今日の試乗会ではサーキット走行などもこなしているはずですが、この数値は「さすがマニュアル」といった感じですね。


安:MTの設定、それ自体が嬉しいです。ペダルレイアウトも少し狭いですがちゃんとしているし、踏んだ分だけしっかり加速してくれますもんね。



編:CVTの軽自動車とは、音が全然違いますね。CVTは一本調子な「ウワーン」という感じの音で、坂道をのぼっているときなど無理している感があって気になりますが、MTだと音にメリハリがあります。横に乗っていても、加速することが音で伝わってくるので、心の準備ができるといいますか、これなら酔いにくいかもしれないですね。



安:MTの場合、音がするときは加速するときですもんね。



編:それに、軽にしてはといってはあれなんですけど、エンジン音自体も悪くないですね。音そのものがカッコいいというか。



安:いや、そうなんですよ。おっしゃる通りです。しかし、ビビッドに動くなー!


編:軽自動車のような非力なクルマにこそ、MTが合っているのかもしれないですね。



安:おっしゃる通りです! MTだと、いくらでも自分で工夫できるし、回転を合わせたりするのも本当に楽しい。フランスの小さなMT車も、みんな元気に走りますよね?



最近、ホンダのMTがいいんですよね。新型「シビック」のMTにも感動しました。シフトフィールも断然、ホンダがいいですね。



編:スパッと入る感じですか?



安:感触がまず、違います。「コクン」って感じで入る。この間乗った新しいスポーツカーは、決して悪いフィールではないのですが、「ゴリっ」ていう感じでした。



何が違うのかなーって疑問だったんですけど、このあいだ、やっと謎が解けまして。自分もまだまだ知らないことがたくさんあるなーと思ったんですけど、ホンダは「デュアルマスフライホイール」というものをですね……。



編:でゅあるます、ふらいほいーる!?



安:はい。それを輸入車とかホンダは使っているんですって。そうすると、触感がしっとりするし、余計な振動が伝わらないようになるそうです。見てください、N-ONEもシフトレバーがガタガタしていないし、しっかり止まっているじゃないですか。



編:いわれてみれば、確かにびしっとしていて振動してないですね。



安:びくともしてないですよね。


編:もしMTじゃなかったら、評価はどうだったんでしょうね?



安:そうですね……。ただ、「N-WGN」に乗ったときはCVTのできもすごくよかったので、期待できますね。あとでN-ONEのCVTにも乗ってみましょう。

あ、ヴァニティミラー、でか! これもいいな。シートヒーターも付いていますね。ちょっとホンダさーん! いいじゃないですか!


編:これからクルマがEVになっていくと、MTともいよいよお別れですね。



安:ただ、「疑似MT」のようなものって、どこかが作るんじゃないですかね? ちゃんと(エンストならぬ)「デンスト」もする疑似MT。



編:ギミックとして、どこかが作りそうな気もしますね。メーカー以外でも作る人はいそうです。

○N-ONEはサーキットでも楽しめる?



一般道での試乗でN-ONEを大いに気に入った様子の安東さんは、そのまま袖ヶ浦フォレストレースウェイのサーキットにコースイン!



編:N-ONEでサーキットに突入ですか!



安:何か、面白いですね。あ、これはいいですよ! ワハハハ!


編:なにがどういいんですか?



安:80km/lも出さなくったって、それなりに楽しめます。(クルマからワンワンワンといった感じの音)あ、リミッターだ。



ブレーキはさすがに、サーキットを本格的に攻めるところまでではないんですけど、十分に面白いです。



編:軽も本気を出せば、ここまで走るんですね!



安:そうですね。楽しいですねー!



編:そう考えると、軽スポーツカーって少なくなってますけど、大事な存在だったんですね。



安:ほぼなくなってしまいますもんね。存在意義、あったと思いますよ。軽だと、サーキットを走っても気兼ねなく全開にできて、楽しいです。


サーキット走行を終え満足げな安東さん。次はN-ONEのCVTも試すことに。



編:CVTも高評価なら、本当にすごいんですが……。



安:そうですね。



まず、パドルシフトが付いているのがいいですね。(操作してみて)ホンダは本当、ダイレクト感をしっかり作ってくるなー! エンジンブレーキもちゃんとかかりますね。



あ、メーターにギアチェンジを促す表示が出ますね。「4速におろして」とか、教えてくれています。光で知らせてくれる(適正なギアを教えてくれる)んです。面白いなー、CVTなのに。CVTでもタコメーターが付いているところも、本当にいい。ありがたいです。



編:いろいろ工夫があるんですね。



安:はい。ただ、前に2人で乗っていると、やっぱり距離が近いですね。私たちだからいいんですけど、180cmくらいの人が並んで乗ったら窮屈かもしれません。


編:かなり楽しそうに試乗していらっしゃいましたが、N-ONEの評価、改めていかがでしょうか?



安:このクルマだったら、息子が欲しいといったら買ってあげてもいいですね。ほかのクルマであれば「自分で買え」っていいますけど(笑)。



編:MTで免許を取った人の最初の1台として、すばらしいチョイスですか?



安:このクルマが初めての1台だったとしたら、その人は絶対にクルマ好き、運転好きになりますね。私が初めて買ったホンダ「シティターボⅡ」も、そういうクルマでした。それは保証できます。



編:すばらしい誉め言葉がでましたね!



安:もちろん絶対的なパワーはないですけど、メリハリのある走りが楽しめますからね。



安東弘樹 あんどうひろき 1967年10月8日生まれ。神奈川県出身。2018年3月末にTBSを退社し、フリーアナウンサーとして活躍。これまでに40台以上を乗り継いだ“クルママニア”で、アナウンサーとして初めて日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。 この著者の記事一覧はこちら(安東弘樹)