そんな発表会の直後にはトヨタ自動車の豊田章男社長と、GAZOO Racing Companyプレジデントの佐藤恒治によるメディア向けの質疑応答が行われ、そのなかでスーパーGT GT500クラスでチャンピオンに輝いた関口雄飛のチーム移籍の背景が豊田社長から語られた。
2021年のスーパーGTにTGR TEAM au TOM’Sから参戦した関口は、パートナーの坪井翔ともに、11月27~28日に静岡県の富士スピードウェイで開催された2021スーパーGT第8戦にポイントランキング5位で臨み、決勝レースで優勝を飾ると、大逆転で2021年のGT500クラスシリーズチャンピオンを獲得している。
そんな関口と坪井のチャンピオンコンビは、来季2022年もタイトル防衛を目指すべく継続参戦が予想されていたが、12月6日に行われた体制発表では、関口がスーパーGTでの活動を終えたヘイキ・コバライネンに代わってTGR TEAM SARDに移籍し、心機一転で中山雄一とコンビを組むことが発表された。
「そういった意味では、今回の関口選手の移籍は“優勝請負人”としてTGR TEAM SARDに移籍することになります。ぜひみなさんに応援して頂きたいですし、彼のInstagramのハッシュタグをみると『#人と違う道を行け』というのが彼のモットーです。ですので、普通でしたら優勝を決めたチームでもう一度参戦するところですが、(その挑戦が)彼のフィロソフィーにもあっているのではないかと思います」
また、そんな関口も2014~2017年に所属していたTGR TEAM WedsSport BANDOHには、来シーズン阪口晴南が加入することになった。
『爆走坂東組』として愛されているTGR TEAM WedsSport BANDOHは、関口をはじめ、来季はTGR TEAM KeePer TOM’Sへの移籍が発表された宮田莉朋、その前には2019年王者の山下健太など、若手ドライバーの育成を手掛けるような立場でもあるチームだ。
質疑応答では改めて『TOYOTA GAZOO RacingにとってTGR TEAM WedsSport BANDOHはどのような存在なのか?』という内容の質問がされ、これに豊田社長は「TGR TEAM WedsSport BANDOHは、他のチームと同じくらい、非常に大事なチームのひとつであります」と語り、チーム、そして坂東正敬監督に改めて感謝の言葉を述べた。
「特に彼ら(TGR TEAM WedsSport BANDOH)のチームの特徴というのは、ドライビングスキルや、ヨコハマタイヤさんと連携しているタイヤ開発経験です。若手ドライバーに対して、プロとしての心構え、とくにファンを大切にする“心”というのを、坂東(正敬)監督が非常に教育していると思っています」