前戦カタールGPでダブル入賞したアルピーヌに25点差をつけられたアルファタウリ・ホンダ。コンストラクターズ選手権5位の座を賭けて、アルピーヌと競い合っているアルファタウリにとっては、残りは2戦しかなくなった。アルファタウリにとって過去最高位は2008年と2019年の6位。角田裕毅も、「コンストラクターズ選手権5位は僕たちにとってチャンピオンになったようなもの」と目を輝かせる。
アルピーヌを逆転するには、アルファタウリは残り2戦で少なくとも2台そろってアルピーヌに先着するとともに、できるだけ多くのポイントを獲得する必要がある。予選9番手のエステバン・オコン(アルピーヌ)の斜め前からスタートする角田としては、何がなんでもオコンの前でレースをしなければならなかった。
しかし、その目論見はスタート直後の1コーナーで消えた。スタート自体は悪くなかったが、1列前からスタートしたチームメイトのピエール・ガスリーがやや出遅れたために、1コーナーで行き場を失った角田はオコンに先行を許しただけでなく、2コーナーではフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)にも並ばれ、2コーナーの立ち上がりでポジションを失ってしまう。
その後、2度の赤旗を経て、再開されたレースでは9番手までポジションを上げて、ポイント圏内を走行していた。ところが、23周目の2コーナーでセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)と接触。フロントウイングを壊した角田はピットインしレースを再開させたが、その後、5秒ペナルティを科せられ、14位に終わった。
レース後、ベッテルとの接触について尋ねると、角田は「あれは僕の責任。少しプッシュしすぎた。その時点でのペースは悪くなかったので、無理せずに次のチャンスを待つべきだった。自分の判断ミス」だと自ら非を認め、レース後、ベッテルに謝罪したことを明かした。
なお、レース後、角田は「ホテルの冷房が効き過ぎていて、体調が万全ではなかった」とも明かした。
コンストラクターズ選手権でライバルのアルピーヌはオコンが4位に入り、5位の座はかなり厳しくなった。最終戦アブダビGPはコンストラクターズ選手権のことよりも、まずは体調を回復させ、万全の体制で悔いのないレースをしてもらいたい。