野田サトル原作によるTVアニメ「ゴールデンカムイ」のイベント「TVアニメ『ゴールデンカムイ』スペシャルイベント’21」が、去る12月5日に埼玉の川口総合文化センター・リリアにて開催された。本記事では昼公演の模様をレポートする。
【大きな画像をもっと見る】イベントには杉元佐一役の小林親弘、アシリパ役の白石晴香、白石由竹役の伊藤健太郎、尾形百之助役の津田健次郎、谷垣源次郎役の細谷佳正、キロランケ役のてらそままさき、月島軍曹役の竹本英史、鯉登少尉役の小西克幸が出演した。ステージ上には大きなテントや「曲馬団シライシ一座」と書かれたのぼり旗など、サーカスをイメージしたセットが登場。観客には、感極まった際などに感情を表現できるよう、「ブヒィッ」と「バーニャ!!」がそれぞれ裏表に印刷されたうちわが配布された。
小林らキャストが「ゴールデンカムイ」の魅力を語るインタビュー映像が流れ、イベントがスタート。アニメ本編でもナレーションを担当している立木文彦によるリングコール風の呼び込みとともにキャストたちが登場する。МCを務める伊藤は「曲馬団シライシ一座」というイベントテーマにちなみ、サーカス団長風のシルクハットとスーツ姿で現れた。アニメ第3期の樺太編にて杉元とアシリパが二手に分かれて行動していたことから、キャストたちは小林、細谷、竹本、小西の杉元チーム、白石、伊藤、津田、てらそまのアシリパチームに分かれて着席した。
アニメ第3期の中でキャストたちが印象的だったシーンを映像で振り返るコーナーでは、竹本が第27話「いご草」より鶴見と月島のシリアスな回想シーンを挙げる。竹本は映像の中で鶴見の前髪が揺れる演出に注目してほしいと語り「月島の過去回というよりも、鶴見中尉の前髪ハラリ回なので、(会場の)皆さんに息を飲んでこのシーンを観ていただけただけで大満足です!」と熱弁。第36話「生きる」より、鯉登とキロランケによる死闘の場面を選んだ小西は「2つのスタジオにてらそまさんと別々に入って、お互いの声を遠隔で聴きながら収録ができたので、とても臨場感が出て好きなシーンです」とアフレコの模様を紹介した。
トークに花を咲かせるキャストたちだったが、突如として曲馬団・ヤマダ一座で踊る少女団の振付担当・フミエが乱入。新たな踊り子を募集するという名目で、杉元チームから小林と細谷、アシリパチームから白石と津田にダンスバトルを強いた。軽快な音楽とお手本に合わせて踊り、間違えたら脱落していくというルールで、白石がキレのある動きで優勝を勝ち取った。
続いて第3期でキャストが心に残ったセリフを語り合っていく。細谷はロシアの競技・スチェンカに挑む谷垣の「時は来た、それだけだ!!」を選び、このセリフに元ネタがあることを知らず苦戦したことから「ここだけで5回ぐらい録り直したんですが、制作側のこだわりを感じた大事なシーンです」と振り返る。てらそまは若きキロランケが日本語を学習している際に発した「ウンコだめッ」を紹介。会場も笑いに包まれたこのチョイスについて、てらそまは「キロランケは大変な過去を持つ男ですが、このシーンは唯一本来の彼らしさが現れている気がして、大事に演じたいなと思っていたんです」と意図を語った。
バーニャをモチーフにしたチーム戦のクイズ対決を挟み、イベントは後半に突入。小林たちが第3期の名シーンを生アフレコで演じたあと、会場スクリーンで第4期の製作が決定したことが発表された。盛大な拍手の中、小林は「皆さんがこの作品を好きでいてくれるからこそ、こうして続きが作れたと思うので本当に幸せですし、こんなに面白い作品と同じ時代に生まれてうれしいです」と顔をほころばせる。白石は「4期を作れることは今まで応援してくださった皆さんや、ずっと作品を作ってくださったスタッフさんとキャストの大きな大きな愛のおかげです」と声援に感謝した。伊藤は「原作も今すごい展開になっておりますし、(アニメ)第4期からもいろんなキャラクターも登場しますので、どんどん広がっていく『ゴールデンカムイ』の世界をお楽しみいただけたらと思います」とコメント。最後にキャストたちは「またね、バーニャ!」と声を揃え、観客たちもうちわの「バーニャ!!」の面を振ってキャストたちを見送り、イベントは幕を閉じた。
※アシリパのリは小文字が正式表記。
(c)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会