前戦カタールGPで2台そろってトップ10内からスタートしたにもかからわず、無得点に終わったアルファタウリ・ホンダ。角田裕毅に関しては、スタート直後にリヤウイングに捨てバイザーが引っかかったことが大きな要因だったが、「チームメイトの走りを見れば、それがなくてもどうだったかはわかりません」と、捨てバイザーによる不運だけが原因ではないという認識でいた。
その意識はチームも共有しており、チーフレースエンジニアのジョナサン・エドルズは、F1第21戦サウジアラビアGPのフリー走行2回目に向けて「2回目のセッションでの最大の目的は、先週の課題だったロングランのマシンパフォーマンスを理解することだった」と語っていた。
そのフリー走行2回目では2台そろってハードタイヤを履いてセッションをスタート。通常、このセッションではミディアムタイヤでスタートして、マシンのセットアップの確認をした後、ソフトタイヤで予選シミュレーションを行い、その後、ミディアムまたはハードタイヤでレースに向けたロングランを行う。
それをいきなり2台そろってハードタイヤで出て行ったところに、今回のアルファタウリのレースにかける意気込みが伝わってきた。
しかも、そのハードタイヤを履いたロングランの最後に角田が一時、トップタイムをマーク。すぐにミディアムタイヤを履いていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に塗り替えられたが、ロングランで安定して速かったことは角田にとっても収穫となったに違いない。
残念だったのは、ハードタイヤ以外のコンパウンドでの速さだった。ハードタイヤで8周走行した角田は、その後ソフトタイヤに履き替えてコースインするも、なかなかアタックをまとめることができなかった。
「ハードタイヤはよかったけれど、ほかのコンパウンドについてはもう少しクルマを合わせる必要があるので、今夜は少し忙しくなりそう」(角田)
それでも、角田がハードタイヤでマークした1分29秒597は、ライバル勢がソフトタイヤでアタックを完了したなか、8番手のタイムだった。しかも、ソフトで3番手のタイムをマークしたチームメイトのピエール・ガスリーとの差もコンマ5秒という力強いタイムだった。
徐々にペースアップしていく角田の、2日目に期待したい。