ヒュンダイ・モータースポーツは、雪で一面の銀世界となったフレンチアルプスで、大幅に改良された2022年仕様のハイブリッド・ラリー1カーのテストを開始した。この開発車両について、チーム代表を務めるアンドレア・アダモは、クルマは以前のテストプロトタイプとはまったく異なるものだという。
WRC世界ラリー選手権に参戦している韓国のメーカーは先週、拠点のあるドイツの自社テストサイトでヒュンダイi20 Nベースのマシンを走らせた後、2022年シーズンの開幕戦ラリー・モンテカルロを彷彿させる地形でテスト行っている。
このテストには来季もヒュンダイのレギュラードライバーとして選手権を戦うティエリー・ヌービルとオット・タナク、そしてダニ・ソルドとともに3台目のマシンをシェアするオリバー・ソルベルグの3名が参加した。
開発車両のテスト仕様から、より実戦に向けた仕様への変化についてアダモは次のように述べた。
「現在のクルマはプロトタイプだ。新しいマシンを作るための経験を積むために、我々はそれをとても短い時間でまとめた」
彼は加えて、シャーシやトランスミッション、エンジンの各分野でのふたつのクルマの大きな違い説明し、ドイツのアルツェナウを拠点とするチームが新しいバージョンのクルマを稼働させるために多大な努力を払ったと語った。
「(トランスミッションの)ケーシングの再設計、内部構造も設計し直した。また、リヤデフも別のものにするために再設計している。ラインを修正したためプロペラシャフトはものが違うが、ドライブシャフトは新しいものに合わせて修正した。アップライトも変更しており、ほぼすべてが異なる」
「ワークショップは信じられないようなことをしてくれた。また、購買部門も素晴らしい仕事をしてくれた。なぜなら、我々にとって変更が必要だと考えられることがすべて実行されたからだ。このクルマはすべてのパーツがやり直された。それは言うまでもなく非常に大変な仕事だ」
今週テストされているマシンは、このスポーツの世界でもっとも多くのラリーカーを手掛けたデザイナーのひとりであるクリスチャン・ロリオーの作品だ。ベルギー人カーデザイナーは今シーズン初めにMスポーツ・フォードWRTからヒュンダイ・モータースポーツに移籍し、ラリー1カー開発プロジェクトに取り組んでいる。