FIAレースディレクターのマイケル・マシは、レースウイーク中にスチュワードの判定の発表までにしばしば長い時間がかかることの背景にある理由を明らかにした。
レース中の判定はFIAのスチュワードの一団によって迅速に下されるが、技術や競技規則に関わるより複雑なケースについては、今シーズンは審議に長い時間がかかっている。
第19戦ブラジルGPにおいて、メルセデスのリヤウイングの問題は、調査と判定に24時間以上かかった。一方、第20戦カタールGP予選でマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)を含む一部のドライバーらがイエローフラッグを無視した件では、結論は日曜日のレーススタートの1時間前まで出なかった。
マシはスチュワードの決定の背後にあるプロセスのせいで、調査結果が出るまでに時間がかかることがあると説明した。しかしマシは決定の遅れについて、特定のペナルティや、ペナルティが科されなかった場合の理由の明確化を求めるメディアの要望を、FIAが満たそうとしているからだとも擁護した。
「このテーブルに着いているみなさん全員が、判定について『このドライバーは違反をした』とか『このドライバーは違反をしていない』といった以上の説明を求めてきたということは、覚えておく必要があると考えている」と先週末ロサイルでマシが語ったと『Motorsport Week』が報じた。
「もし同様のケースがあったら、できる限りそのプロセスについて理解したいと思うものだ」
「先週(のブラジル)であれ、今週(のカタール)であれ、スチュワードは決定内容にあるレベルのニュアンスを書こうとするし、あるレベルの詳細を盛り込む。その草稿や書き直しなどには時間がかかる。我々は判定を下せるがそれはひとつの部分でしかない」
「もうひとつには、チームには論証する機会が与えられる必要がある。その一例だが、先週末のブラジルでは、メルセデスがスチュワードに約2時間半の反論を行うために、合計で実際には2日以上の時間をかけた。それと同時に、セッションやその間のすべてのことも考慮に入れなければならない」
「スチュワードは喜んで『このドライバーは規則違反をした』と書いて話を終わらせる時もあると思う。だが我々は数年前を思い出すことになる。このテーブルにいるほとんどの人々がさらなる詳細を求めたことをだ!」
マシは判定の遅れについて、“関係者の都合がつく時間”に関連した“時間調整やそのほかすべてのこと”などいくつか実際の理由を強調した。またカタールにおいて、土曜日夕方の予選で起きたイエローフラッグ違反について、オフィシャルの報告に時間がかかったことを擁護した。
「マシンがコース上のどこにいたかを見て、トップ10のマシンそれぞれの映像すべてを見る。それが私のやったことで、その後はデータなどを検討する」とマシは説明した。
「明らかに時間のかかることだが、検討材料すべてから確信を得たい。誰が何をしたのか、何が表示され、またはされなかったのかといったことの最終的な確認と判断が行われた後にスチュワードに報告し、それから彼らが召喚状を送ったのだ」