富士スピードウェイで開催された2021年シーズンのスーパーGT最終戦となる第8戦『FUJIMAKI GROUP FUJI GT 300km RACE』。11月28日に行われた決勝レースを終え、GT300クラスのシリーズチャンピオンに輝いたSUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人と山内英輝、小澤正弘監督が決勝日を振り返り、チャンピオン獲得への想いを語った。
井口卓人/第1スティント担当
「土曜日からずっと好調を維持していて、本当に日曜日が終わるまでこの流れを途切れさせたくないという思いで、スタートでもチャンピオンのことは考えず、とにかく1秒でも、コンマ数秒でもいいのでギャップを作りたいという思いでスタートしました」
「最初は(ギャップを)作れたのですが、セーフティカーが入ってからは少し思いどおりにいかなくなってしまい、苦しい展開になってしまいました。その後は本当に山内選手が素晴らしく、気持ちが強いレースを最後まで続けてくれ、それが表彰台に繋がったと思います。本当にチームみんなで勝ち取った表彰台とチャンピオンだったかなと思います」
「シリーズのことになってしまいますが、新型のBRZがデビューして前半は苦戦しているなかで、本当にたくさんの方に応援して頂きました。スバルがなかなかチャンピオンを獲れそうで獲れないという状況のなか、BRZが2012年にデビューして山野(哲也)さんと佐々木(孝太)さんに育ててもらい、そこから僕と山ちゃん(山内英輝)で引き継ぎました」
「新型BRZがデビューしてから、本当にいろいろな思いがあって、チームのみんな、そしてファンのみなさんと一緒に勝ち獲れたチャンピオンだったと思うので、本当に感謝の言葉しかありません。本当にチャンピオンが獲れて良かったです」
「開幕して数戦は僕自身もBRZと仲良くなれなくて、すごく苦しい前半戦を送り、それをチームと山ちゃんがすごくフォローしてくれたので、なんとしてでもチャンピオンを獲りたかったです。そのなかでチャンピオンを獲れて、やっぱりこのスバルチームって最高だなと改めて思いましたし、ファンのみなさんあってのスバルだと思うので、またこのチームで強くなって戻ってきたいです」
山内英輝/第2スティント担当
「スタートは井口選手に行ってもらい、約束と違って全然マージンがないなと思いながら(笑)、蓋を開けてみたら前にすごくたくさんクルマがいて『この展開はキツイな』と思いながら走っていました」
「結果的に、攻める姿勢をずっと忘れずに、レースですしドライバーたるもの前にクルマがいるのはすごく腹が立つので抜いていこうと必死でした。ですが、88号車や4号車のブロックもすごく上手で、なかなか前に出るステージに持っていくことができませんでしたが、最終的には前に出ることができて表彰台も獲得することができ、すごく良かったかなと思います」
「本当に長いあいだ時間が掛かり、苦労した年が2~3年続いたときもあったので、そのときもファンのみなさんがたくさん応援してくれたところと、チームも本当に諦めませんでした。小澤監督が入ってきてからエンジン部門であったり、STIのみなさん、スバルさん、みんながすごく努力していることを間近で見ていたので、変化していく姿を見ながら『すごいな』と思いました。その環境で走ることができる喜びも感じながらできた1年だったなと思います」
「また、僕個人的には今年子どもが産まれました。本当に妻が頑張って出産してくれ、子どもが産まれたという僕にとって大切な年に、こうしてチャンピオンが獲れたというのはすごくうれしいことなので、本当に家族のみんなに感謝したいです」
「そしてスバルファンのみなさん、このレースに関わってBRZを走らせる関係者のみんなに感謝したい、本当に素晴らしい1年だったなと思います。ありがとうございました」
小澤正弘監督
「ずっと長い間獲れなかったチャンピオンなのですが、ポイントリーダーとして最終戦に来て、何とか(チャンピオンを)獲ることができて非常にホッとしているところです。レースは、見ていても最後の最後まで気の抜けないハラハラドキドキのレースだったのですが、本当にふたりが頑張ってやってくれ、チャンピオンを獲ることができて、本当に心から良かったと思っています」
「今シーズンは新型車導入で、なかなか新型車を速く走らせることは難しいなかで、冬のテストからクルマの速さだけは確保して(今季を)スタートしましたが、本当に前半戦は苦労したシーズンでした」
「自信を持って臨んだ鈴鹿などで痛い思いをして、そのあたりをターニングポイントに、みんなが本当にひとつになってクルマづくりができた結果が、こうしてチャンピオンに繋がったと思っています。応援してくれたファンの方やスポンサーのみなさまには本当に感謝をしつつ、本当にみんなのためにもチャンピオンを獲れて良かったなと思います。ありがとうございました」