2021年11月27日 10:01 弁護士ドットコム
通行中の女性が見知らぬ男からマスクを外される――。福岡市の中心部でそんな被害が相次いでいるという。
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福岡市中央署は11月12日、次のような防犯メールを送信した。
「11月7日午後9時ころ、福岡市中央区天神の天神地下街で通行中の女性が後方から近づいてきた男にマスクを外される事案が発生しました。男は年齢20歳代、身長170センチ位、やせ型、茶色上衣、灰色ハンチング帽子を着用していました。他にも同様の事案が発生しています」
このメールはメディアにも取り上げられ、当たり前だが「気持ち悪い」などの感想があがっている。
痴漢の一種と言えそうだが、マスクを盗んだわけではないし、わいせつな行為とも言いづらそうだ。もしも出現したとして罪に問えるのだろうか。藤吉修崇弁護士に聞いた。
「暴行罪に該当しうるでしょう。暴行と言うと、殴る蹴るなど、暴力をイメージするかもしれませんが、それだけに限られたものではなく、身体接触が伴なわなくても成立することがあります」(藤吉弁護士)
有名な裁判例に、他人の頭や顔にお清めと称して食塩を振りかける行為を暴行としたものがある。
ネットでは「ピアスやイヤリングをしていたら、引っかかって怪我をするかもしれない」との意見もあった。マスク外しをした結果、このような怪我が発生したら、暴行ではなく、傷害罪になる可能性があるという。
本人はただのイタズラのつもりかも知れないが、重大な結果を招く恐れもある。警察のメールや報道が抑止力になっているのか、11月26日現在、「マスク外し犯」の続報はない。このまま現れないことを祈りたい。
【取材協力弁護士】
藤吉 修崇(ふじよし・のぶたか)弁護士
インターネット上の誹謗中傷問題を多く扱う弁護士。弁護士になる前に、芸能関係の仕事に携わっていたことや自身も誹謗中傷を受けたことがあることから、この問題に取り組むようになった。ユーチューブちゃんねるは登録者2万人を超えている。YouTubeちゃんねる「二番煎じと言われても」
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事務所名:弁護士法人ATB
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