トップへ

東証一部企業の正社員なのに「Uber副業で月20万稼いだ」という男がいた

2021年11月27日 06:10  キャリコネニュース

キャリコネニュース

写真

「ああ、ボク一年前からUberやってるんですよ」と電話で告げられて驚いた。なにせ電話の相手は、東証一部上場企業の正社員だったからだ。それなのに、Uberで配達員として働いているという。

「このご時世に、会社辞めたの?」
「いや、そんなわけないじゃないですか。副業ですよ」

しかも、聞いてみると本業は手取りが月30万円なのに、副業を合わせると「月収50万に届いた」というのだ。いったい、何がどうしちゃっているのか。(取材・文:昼間たかし)

昔から「副業」大好き

この男、昔から副業が大好きな男だった。もともと筆者とはライターと編集者の関係だった。出会ったのは10年ほど前、今もある某マニアな月刊誌の編集部だった。当時は30歳少し前くらい。人当たりもよく腰も低い男なのだが、マニアックな会社に入社してくるくらいだから一風変わったところがあった。

とにかくお金が大好きなのである。

仕事の打ち合わせにいくと、半分くらいは副業で稼ぐ方法の話をしている。投資とかならまだわかるが、「街コンを主催して儲ける」とか、手間も労力もかかる副業ばかりを考えついていた。

いつだかは「妻が専業主婦になりたいといってるので、これを機会に実家をゲストハウスにしてしまえば一石二鳥」とか話していたのを覚えている。

彼は気がついたら会社を辞め、その後しばらく会わない時期が続いたが数年前に御茶ノ水駅のホームで再会した。えらく颯爽としているので驚いたが、会社の名刺をもらって納得。某東証一部上場企業に就職していたのだ。

「いやー、絶対に食いっぱぐれない方法を考えたら士業が一番と思ったので、2年ぐらい引き籠もって資格を取ったら、中途で入れたんですよ」

確かに、腰は低く人当たりのよい男である。資格を得たこともあって大企業の採用面接を突破できたのだろう。そんな男が、今度はUber?

「まだまだ、いけますよ」

彼は「最近はUberは稼げなくなっているんですけど、出前館とウォルトも登録したんでまだまだいけますよ」と意気揚々と語る。それはいいが、東証一部の会社でも「副業アリ」なの?

「管理部門を中心に社員の半分くらいはテレワークになり、新入社員もモニター越しにしか見たことがない状況です。そんな状況だから去年の段階で、いずれ副業以外で稼ぐ社員が増加するだろうという話になっていたんです。その後、会社が『個人事業主であれば問題にしない』という方針を出したので、しめたと思いUberを始めたんです」

話によると、彼の部署はいちおう10時?18時が勤務時間と決まっている。ただ、その日のタスクを消化すればあとは自由にできるそうだ。そういったスタイルで働く人の副業として、その日次第で時間調整ができるUberは理想的だという。

「ちょっと運ぶだけでお金を貰えるなんてコントみたいだと思いませんか? ただ自転車はキツいんで儲かったから単車を買っちゃいましたよ」

それにしても、しっかりした本業に就いている場合、余った時間は資格や語学の勉強など、本業のスキルアップに費やす人が多いように思える。それを、ひたすらに「カネ」にしようとするとは。

「だって、空き時間をカネにできるんですよ?」

彼の場合、本業は手取り約30万円だが「ウーバーで月20万円超えは達成した」と語っていた。となると月50万円にもなる。本業や生活は大丈夫なのか。

まあ、妻は専業主婦、子供もいるのでお金が必要なのはわかる。わかるが……友人としては、働きすぎにも気をつけてもらいたいと思った。