元F1ドライバーのマーティン・ブランドルは、F1第20戦カタールGPの予選でイエローフラッグを無視したとして、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とバルテリ・ボッタス(メルセデス)にペナルティを科したスチュワードの判断を批判し、違反の背景には“軽減事由”があると主張した。
フェルスタッペンとボッタスは両名とも予選終盤に出された警告によって窮地に陥った。ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)のマシンがコース脇に立ち往生していたため黄旗が出されたが、一方で同じくスチュワードに呼び出されたフェラーリのカルロス・サインツは、ペナルティを受けることはなかった。
フェルスタッペンは5グリッド、ボッタスは3グリッド降格のペナルティをそれぞれ科された。ダブルイエローを出されたフェルスタッペンにペナルティの追い打ちがかけられたことで、レッドブル上層部は激怒した。
ブランドルも同様にスチュワードの決定に批判的だった。
「日曜日に彼(フェルスタッペン)とバルテリ・ボッタスにグリッドペナルティが科されたのは厳しいと思った」とブランドルは『Sky Sports』のコラムに記した。
「FIAは、非常に複雑なF1の世界で審判を行うにあたって全体的には素晴らしい仕事をしているが、ブラジルでタイトル争いをするふたりの間で起きた悪名高いターン4のインシデントからの2週間は、感情的で不明瞭だった」
「私はイエローフラッグは絶対的な優先事項として尊重することを完全に支持している。しかし、コクピットのドライバーらは最後の予選アタックに取り組んでいただろうが、最終コーナー出口ではフラッグが出されていなかったし、ステアリングホイールのインシデント警告ライトはついておらず、ピットウォールからのメッセージもなかった」
「控えめに言っても軽減事由があった。トラックサイドにはイエロー警告パネルが出ていなかったが、ピットレーンの車重計測台に向けてはピットウォールからグリーンパネルが出されていた。私なら比較的照明の暗い、たった1カ所のマーシャルポストから、正しくフラッグやダブルフラッグが左サイドに毎回出されていても見逃したかもしれない」
ブランドルは、サインツに不正行為がなかったとして放免したオフィシャルの判断についても“理解しがたい”と思っているが、彼はおそらくはあの日何かしらやり残されたことがあったのではないかとも考えている。それは、F1がロサイルでレースを開催したのは今回が初めてのことだったからだ。
「カルロス・サインツが、停止したマシンの後ろでスロットルを離したので免責されたという事実は、むしろ混乱を強調しているが、ルールはルールだと私は思う」とブランドルは語った。
「我々はカレンダーに遅い段階で追加された真新しいF1会場にいたが、そのことが示されたのだ」
「結局フェルスタッペンにとっては、1コーナーでハミルトンを抜くチャンスを失った以外に何も違いはなかった」
「そしてボッタスは、ピレリのフロントタイヤが衝撃力のある低い縁石に乗り上げると30周以上走れなくなるということを知った最初のドライバーにならなければ、難しいスタートを切っても3位でフィニッシュできたかもしれなかった」