2021年11月22日 11:41 弁護士ドットコム
ネットサイト「GIGAZINE」(ギガジン)編集長所有の「GIGAZINE倉庫」(大阪府大阪市西淀川区)の取り壊しが、11月22日朝、始まった。
地権者の不動産会社「日新プランニング」(同市)が起こした裁判で、土地の明け渡しなどを命じる判決が9月に出され、編集長側が上告せず、確定していた。
22日、大阪では朝から冷たい雨が降り注いでいた。
午前9時ごろから現場には日新プランニング側の関係者、代理人弁護士、解体作業にあたる関係者ら数人が現場に集まっていたが、GIGAZINEの関係者と思われる人の姿はなかった。
午前9時30分ごろ、執行官たちが現れ、建物の内部を確認すると、10分後には取り壊しの許可が下りた。重機が動きはじめ、まず建物周辺の不要物を取り除く作業が始まった。
重機が建物を壊し始めると、工事の音を聞いた近所の人たちが様子を見に来始めた。「草が荒れ放題で鬱陶しかったです」と言い、満足そうな表情を浮かべて、立ち去っていく。
大きな問題もなく、取り壊し作業は進んだが、更地になるには、まだ数日かかる見込みだという。
雨が降りしきるなかでも、重機による解体によって、あたりには砂埃が舞った。
GIGAZINE側は2019年、この建物が取り壊されたことに異議をとなえ、「ある日突然無断で他人の建物をショベルカーで破壊する企業は『反社会的勢力』ではないのか?」などと報じていた。
地権者の日新プランニングは建物収去・土地の明け渡しなどを求めて提訴。大阪地裁は原告主張を認める判決を出した(3月11日)。編集長側は控訴したが、大阪高裁は棄却した(9月16日)。
日新プランニング側の代理人弁護士によると、判決の確定後、取り壊しについて合意を進めていたが、最終的に合意を得られず、決裂したため、強制執行の手続きが取られた。