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司波達也もリムルも上条当麻も蹴散らす? “本当は強いキャラ”はギルドの受付嬢!

2021年11月19日 10:01  リアルサウンド

リアルサウンド

司波達也も上条当麻も蹴散らすキャラが登場?

 見かけによらない強さに人は憧れるものらしい。ライトノベルの主人公にも、外見や印象からは想像できない強さを発揮して、壁を突破していくタイプのキャラクターが大勢いて、その活躍ぶりで強い支持を集めている。


 Rakutenブックスの週間ライトノベルランキング(2021年11月8日~14日/https://books.rakuten.co.jp/ranking/weekly/001017/#!/)でトップに立った佐島勤『魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー3』(電撃文庫)は、魔法の能力で劣ると見られていた司波達也が、実はとてつもない力の持ち主で、彼を侮る者たちを蹴散らしていく姿に惚れさせた「魔法科」シリーズの最新刊だ。


続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(3) (電撃文庫)

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 魔法科高校を卒業した達也は魔法大学に進学しつつ、創設した一般社団法人メイジアン・カンパニーを拠点に、力の弱い魔法士たちを救済するプログラムを始める。干渉してくる勢力も国内外に現れたが、最新刊でとてつもない魔法を繰り出すことで黙らせる。その威力が驚きのレベルで、もはや宇宙最強と言っても良さそうだが、だからといって力を権力掌握に向けることなく、弱者を救い妹の深雪に尽くそうとするスタンスがカッコ良い。


 2位の伏瀬『転生したらスライムだった件 19』(GCノベルズ)は、サラリーマンがファンタジー世界で最弱のモンスターとされるスライムに転生しながら、力を蓄えて強くなり、国を興して魔王の座に上り詰めていくシリーズの最新刊。9位の鎌池和馬『創約 とある魔術の禁書目録5』(電撃文庫)も、超能力や魔法が存在する世界で一切の能力を持たないただの人間だった上条当麻が、あらゆる異能の力を打ち消す右手を頼りに厳しい戦いを勝ち抜いていくシリーズの最新刊だ。


転生したらスライムだった件 19 (GCノベルズ)

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創約 とある魔術の禁書目録(5) (電撃文庫)

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 10位の衣笠彰悟『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編5』(MF文庫J)も、スーパーエリートでありながら正体を隠して超進学校の最底辺クラスに入った綾小路清隆が、周囲を動かしてのし上がっていく“陰の実力者”としての活躍に引きつけられる。


ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編5 (MF文庫J)

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 ここまではいずれも、大ベストセラーとなってアニメにもなった作品ばかりだが、これら“見かけによらない主人公”選手権に新しく参戦し、ぐいぐいと支持を伸ばしている作品がある。15位に最新の第3巻が入った香坂マト「ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います」(電撃文庫)のシリーズだ。


ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います (電撃文庫)

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 内容はタイトルにあるように、ギルドの受付嬢として働くアリナ・クローバーが正体を隠してダンジョンに潜り、最強の勇者チームでもてこずるボスを巨大なハンマーで蹴散らして回るというもの。それだけの実力があるなら、冒険者として戦った方が稼げるはずだが、いつ大ケガを負って動けなくなるかもしれない不安定な職業よりも、定年まで働けて確実に給料がもらえローンも組める受付嬢の方が良いと譲らない。


 だったらどうしてダンジョンに潜るのかと言えば、ボスがなかなか攻略されないダンジョンにはモンスターも湧き続け、それを狙って大勢の冒険者たちがギルドの受付に押し寄せるからだった。当然、対応に当たるアリナの仕事は増え、定時で終わらなければ残業となってプライベートな時間を奪う。それなら自分がボスを倒してダンジョンを終わらせようということで、ある時ふっと授かった神域スキルを使ってダンジョンに潜り、ボスを討伐して回るようになった。


 仮面を付けた上にフードを被って正体を隠し、大暴れするアリナについたあだ名が”処刑人”。最新刊では、新しく発見されたダンジョンが迷路のようになっていて、なかなか攻略できないと聞き、ハンマーを壁に叩きつけて強引に通路を作り、一直線にボス部屋へと向かうパワープレイを見せてくれる。それだけ暴れ回って正体がバレていないのかというと、最強パーティー「白銀の剣」で盾役を務めるジェイド・スクレイドや、ギルドマスターのグレン・ガリアにはしっかりバレていて、「白銀の剣」でも手を焼く相手との戦いに駆り出されたりもする。


 その敵とは魔神。モンスターとは違って意思を持ち、人間を襲ってくる謎の敵が存在していたことにアリナやジェイドは驚くが、そうした相手と互角以上の戦いを繰り広げられるアリナの力の方が読者にとっては驚きだ。どうして彼女に他人にはない神域スキルが発芽したのか。次々と現れる魔神たちは何を狙っているのか。巻を重ねるに従って気になる点も増えて、ますます続きが楽しみになる。発売即重版の人気ぶりも分かる面白さだ。第3巻のラストにも強烈な引きがあって「まさか!」と思わせる。アリナにとっても衝撃の展開となりそうで、今か4巻の発売が待ち遠しい。


ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います3 (電撃文庫)

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 このほか、ランキングでは3年9カ月ぶりとなる榎宮祐の「ノゲノラ」シリーズ最新刊『ノーゲーム・ノーライフ11 ゲーマー兄妹たちはカップルにならなきゃ出られないそうです』(MF文庫J)が、11月25日の発売を前に6位にランクイン。


ノーゲーム・ノーライフ11 ゲーマー兄妹たちはカップルにならなきゃ出られないそうです (MF文庫J)

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 種族に別れて争う世界を平穏に導くため、神様がゲームで決着を付けるよう決定。そこに召還されたゲーマーの兄妹が、不利な状況も込み入ったルールも乗り越えあらゆるゲームに勝利していくというストーリーに引きつけられる。最新刊で挑むゲームは閉鎖空間でのカップル作りというユルいものだが、練りに練ったゲームのルールをぶち込んでくるシリーズだけに、読む手が止められないくらい、ハマらせてくれるだろう。期待したい。