長年にわたってセバスチャン・オジエのコドライバーを務めてきたジュリアン・イングラシアは11月19~21日、イタリア北部で開催されるWRC世界ラリー選手権第12戦モンツァで、成功したキャリアにピリオドを打つが、彼は今後もWRCでの仕事を続けたいと語っている。
オジエとともにラリー競技の世界最高峰シリーズに挑み続け、通算7度のコドライバーズタイトルを獲得したイングラシア。彼は先週、引退を前にWRC Backstoriesポッドキャストのインタビューに応じ、将来のプランを語るとともにそこでコドライバーを務めてきた自身の経験を活かしたいと述べた。
「僕にとって何か他のことをする時がきた」とWRC+ All Liveの取材に対して語ったイングラシア。
「僕がこれまでに経験したことを、新しいチームや新しいクルー、そしてスポーツそのものに伝えていきたいと思っているんだ」
「どのようなかたちでそれを行うかはまだ少し疑問符がついていて、僕はそれについて考えているところだ。このチャンピオンシップに参加するのは僕たちだけではない。少なくとも人が持つ経験として、僕がカーテンの向こう側にいるのはいいことだと思う」とまもなく42歳となるフランス人は続けた。
「我々が行うスポーツには、まだ改善できることがたくさんあると思っている。安全性やプロモーション、スポーティングレギュレーション、フォーマット、そして明らかに、将来使用することになるであろう新しいエネルギーについてもだ」
「僕たちは急速に進歩する世界に生きている。我々はそれを知っている。もし、ある時点でもう少し安全でシンプルに、そしてより楽しいものを手に入れることができれば、さらに一段上のパフォーマンスと笑顔をもたらすだろう」
「みんなが幸せになるためにやっていることだと思う。だからトライしてみよう!」
将来、サービスパークのどこかでイングラシアの姿を見かける可能性は少なくないと思われるが、彼はドライバーとしての時代は終わったと強調した。
「僕はこれ以上、コドライバーはやらない」と繰り返し述べたイングラシア。
「人生において“絶対にない”ということが難しいことは誰もが知っているが、僕の計画はそのようものではない。僕はそれに固執すると思うよ」
「コドライバーを始めてから20年近くになる。地球上でこのレベルに達し、それに対する給与をもらっている人はほとんどいない。だから、贅沢と生きる機会を得たことはアメイジングな冒険だった」
彼は、「僕は満面の笑みを浮かべながら立ち止まり、肩越しに自分の人生を振り返って『ワオ! なんて旅だったのだろう』と言いたいんだ」と付け加えた。