2021年11月16日 10:11 弁護士ドットコム
近年、パワハラによる自殺や過労による労災認定などが複数報じられている三菱電機(東京都千代田区)のグループ内で、2020年度にパワハラによる被害相談が330件あったことが労働組合の調査でわかった。
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労働組合「電機・情報ユニオン」が11月10日、記者会見で明かした。グループ社内のハラスメント研修で使用されたという資料によれば、20年度にはパワハラで8件の懲戒処分がなされた。また、件数は不明ながら、セクハラによる懲戒処分も発生していた。
弁護士ドットコムニュースが入手した資料では、20年度のパワハラ相談窓口への相談件数は、三菱電機で111件あった。そのうち、相談者からの希望をうけて人事部門による調査は57件おこなわれ、52件が解決した(21年3月末時点)。
グループ合計の相談件数は330件で、人事部門の調査があった238件のうち、解決したのは214件だった。
加害者の行為がパワハラと認定され、懲戒処分とされた事例も資料では紹介された。
指導目的で上司が部下を1時間以上立たせたまま大きな声で威圧するように説教したケース。同僚に冗談のつもりで「死ね」と複数回言ったり、作業着にごみを入れたケース。チームリーダーがチーム員に「ぼけか、何してるんだ!」など威圧的な発言をしたり、本人がいない場で「●●がここまでポンコツだと思わなかった」との発言を周囲にしたりしていたケースなど。
また、グループ内で20年度に起きて、行為者が懲戒処分や配置変更や厳重注意等とされたセクハラ行為も紹介されている。
たとえば、先輩(男性)から後輩(女性)へのLINE等による執拗なデートの誘いや、部下の女性に「顔がおかしい」「外見は女だが、中身はおっさんだ」などの発言があったという。
三菱電機では、2019年に新入社員の男性が自殺し、2021年2月、労災認定された。背景には担当の教育指導員からパワハラがあったとみられている。
なお、資料ではパワハラ、セクハラだけでなく、マタハラ・パタハラ、ケアハラへの言及もあり、社内(人事部門)・社外の相談窓口が紹介されている。
会見では、ユニオンが現在、会社との間で団交を予定している女性社員の事例も紹介された。
11月16日に、復職に向けた環境改善をもとめ、1回目の団交が予定されている。
三菱電機は取材に、「団交が予定されていることもあり、コメントを差し控えます」とした。