7.7秒差でトップを走る勝田範彦/木村裕一組のトヨタGRヤリスGR4ラリー。6SS中4SSでベストタイムをマークしてみせた 11月13日に開幕した『フォーラムエイト・セントラルラリー2021』は翌14日に競技初日のレグ1が行なわれ、4本のステージでベストタイムを記録した勝田範彦/木村裕介組(トヨタGRヤリス)が総合首位に立った。2番手には新井大輝/小坂典嵩組(スバルWRX STI)がつけている。
今大会では、WRC世界ラリー選手権の日本ラウンド“ラリージャパン”と同様に、豊田スタジアムを拠点として、愛知と岐阜の両県にまたがったルートが採用され、2日間をかけて12本のSS(スペシャルステージ:競技区間)、計83.32kmで争われる。
このラリーには2021年JRC全日本ラリー選手権王者の勝田/木村組がトヨタGRヤリスGR4ラリーで参戦するほか、福永修/齊田美早子組(シュコダ・ファビアR5)、新井/小坂典嵩組(スバルWRX STI)、奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス)、ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタGT86 CS-R3)といった、全日本ラリーのトップクルーが勢揃いすることになった。
現在、小康状態にある全国の新型コロナウイルス感染状況に鑑みて、セントラルラリーの主催者は有観客での開催を決定。車両整備を行なう豊田スタジアムのサービスパークが開放されたほか、初日に岡崎市の乙川河川敷で行なわれるSS3/SS4“Okazaki City(1.44km)”は、有料の観戦エリアが設けられている。
ラリー初日は岡崎のギャラリーステージを含む7本のSS、計46.59kmで争われる予定だったが、安全確保を理由として、ラリースタート後にSS7のキャンセルが決まった。
今シーズン、全日本ラリーの終盤戦で4連勝を飾った勝田は、その勢いのままスタートからSS3まで連続ベストタイムをたたき出し、ラリーをリードする。
続くSS4とSS5は、スバルWRX STIに大幅な軽量化を施した新井が制したものの、勝田はこの日の最終ステージとなったSS6もベストタイムで締めくくり、初日を首位でまとめてみせた。
「前半は気持ちよく走れましたが、午後はあまりタイムが伸びなかったですね。かなりプッシュしたんですけど、新井大輝選手が速いですね。明日も今日と同じように全力でプッシュします」と、勝田は新井に警戒感を隠さない。
一方、7.7秒差の2番手につけた新井は、「ギリギリで走りましたが、ちょっと届かない感じでした。クルマが軽くなって、フィーリングはものすごくいいです。明日の勝負どころは13.16kmのEna City short(SS8/SS11)になると思います。そこでどこまで詰められるかですね」と、虎視眈々と優勝を狙う。
トップと26.0秒差の3番手となった福永は、「タイヤと路面のマッチングがあまり良くなかった」と初日のラリーを振り返った。
SS5まで3番手を走行していた奴田原はマシントラブルからSS6でリタイアを余儀なくされた。58.2秒差の4番手には2輪駆動ながらも、4WD勢を上まわるタイムを並べたコバライネンがつけている。