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“クール男子”の日常を覗き見!? 眺めているだけでも愛らしい漫画を紹介

2021年11月13日 10:01  リアルサウンド

リアルサウンド

眺めるだけでも愛らしい"クール男子"漫画

 何をしても様になる、淡々と仕事をこなす、口数が少ない、「ふっ」と口元だけで笑う、感情が表に出にくい……そんなクールでカッコイイ男子。みなさんは”クール男子”が好きですか?


 さまざまな少女漫画・女性漫画を読んでいると、作中にひとりはいるであろうキャラクターだが、そのクール男子をクローズアップした作品は多くはない。もはや周りの男女のいざこざに振り回され、クール男子の良さが半減しているのでは……と思うことさえある。今回は、そんなクール男子の日常を堪能でき、シンプルにその魅力だけを拝める2作品を紹介したいと思う。


(参考:【画像】『クールドジ男子』


■クールドジ男子/那多ここね(4巻が11/22発売予定)


 ガンガンpixivで公開中の『クールドジ男子』。クールでかっこよくて、だけどちょっとドジ。そんなドジさえもこれまたクールにキメてしまう男子たちの日常コメディだ。


 年齢も性格も違う4人のクールドジ男子が登場。「クールドジ」とひとくちに言っても、これだけタイプがあるのかと学ばされる、それぞれの視点でストーリーは展開。クールとドジとは、相反するようで共存する世界がここにある。筆者はここの住人になりたい。しかもフルカラーときたもんだ、眼福。


 最初に登場するのは大学生の一倉颯。羞恥心があり、反省するタイプ。「あ、やってしまった」とドジをすると恥ずかしい気持ちで顔に出てしまい、「次からは気を付けよう」とちゃんと反省もする。頭はいいが、ちょっと天然な感じ。


 2番目に登場するのが、強がりストイックタイプの高校生、二見瞬である。ドジをしても堂々とした佇まいで、「わざとだし」「あえてだから」と切り抜ける。かわいいって言われるのはおもしろくない、当然のように振舞えばかっこいいと思ってやっているらしい。ちょっと思春期をこじらせている。


 3番目は無自覚無痛タイプの三間貴之。27歳、社会人である彼はそもそも自分がドジをしていることに気づかず、顔色も変わらない。周りが笑いのツボに入ってしまう沼。元から自分はこんなもんだと、もうすでに悟りを開いちゃっているらしい。


 4番目は受け入れ前向きタイプの専門学生、四季蒼真。ドジをしても「あれ? これもアリだな!」と深く考えすぎないタイプ。ドジする自分にこっそりツボる。小さなことでも前向きに捉える、母性本能をくするぐ天才、いや天使だな。


 基本は皆クールでイケメンだ。それぞれがドジによって運命の出会いを果たす。自分が短所だと思っているところを、相手は長所のように感じたり、お互いにリスペクトしたりする様子は、推し同士の絡みを双眼鏡で覗いているみたいで、ほほえましい気持ちになる。ちなみに筆者は、眺めているだけなら表情がコロコロ変わる一倉と四季に和むな~と思うが、実際パートナーとなったら三間かなぁ、いや案外二見をいちから育てるのも楽しそう……などと妄想している。皆さんはどのタイプがお好みかな。そして、最新巻ではまさかの新たなクールドジ男子が登場……!?


■氷属性男子とクールな同僚女子/殿ヶ谷美由紀(5巻が11/22発売予定)


 同じくガンガンpixivで公開中の『氷属性男子とクールな同僚女子』。雪女の末裔という氷室くんと、クールで鈍感だけどユーモアあふれる同僚の冬月さん。氷室くんの心が熱くなる、冬子さんへの気持ちが爆発しそうになると周囲を凍らせてしまうという設定らしい。クールで不器用な2人のピュアな日常ラブコメディーだ。


 まず、氷室くんは冬月さんと話すときは標準語で敬語が基本。だが、冬月さんの可愛い仕草や言動で情緒不安定になると、心のなかのドデカい声が関西弁になる素の一面がツボ。「あ…あかん…!!冬月さん優し…っ!!めっっっっっっちゃ好き……っ!!!!」「かわいすぎやろ」とか、漫画越しのこっちまで赤面してしまうやろ。冬月さんが好きなあまり、凍らせる以外にも気持ちが先走ってちょっと空回り、情けないところもみせてしまうギャップもいい味出している。暑くなると身体が小さくなって子どもバージョンの氷室くんになるのもまたいい。


 対する冬月さんも同じくクールだが、ちょっと抜けているというか、斜め方向からの気遣いや励ましにククク……と笑える。だって、同僚から氷室くんとの仲を聞かれて、「もっといろいろ知るために……まずは一緒に雪だるまとか作りたいって思ってます」と答えるんだぞ。可愛すぎるだろ。雪だるま、一緒に作れるといいね……。


 とにかく心の浄化作用がすごい。本当に安心して”クール男子”をみていられる漫画だ。2巻以降は末裔の同僚たちも登場。ショートストーリーなので、テンポよく読みやすい。これからの寒い時期、こたつでぬくぬく、みかんを食べながらニマニマしながら読み返したい。


(文=白石弓夏)