11月12日、MotoGP第18戦バレンシアGPのフリー走行1回目、2回目がスペインのリカルド・トルモ・サーキットで行われ、ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)が初日総合トップタイムをマークした。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は総合6番手。今大会を限りに引退するバレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)は総合21番手で最後のバレンシアGPをスタートした。
2021年シーズン最終戦となるバレンシアGPは、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が前戦アルガルベGPに続き、欠場。マルク・マルケスはアルガルベGP前のオフロードトレーニング中に転倒。これに起因する複視の症状が確認されたため、バレンシアGPと、11月18日、19日にヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われる公式テストを欠場する。
MotoGPクラスのフリー走行1回目が始まるころになると、次第に雨粒が落ち始め、セッションはウエットコンディションとなった。セッション序盤には濡れた路面に足をすくわれ、ダニロ・ペトルッチ(テック3KTMファクトリー・レーシング)が転倒。さらにトップタイムをマークしていたフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が2コーナーでクラッシュする。バニャイアはセッション終盤、再び走行に加わった。
残り時間10分を切って、バニャイアに代わってチームメイトのジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)がトップに浮上するも、その後1コーナーで止まりきれず、スリップダウンを喫した。
残り時間が2分になると、イケル・レクオーナ(テック3KTMファクトリー・レーシング)がミラーのタイムを更新し、1分40秒569を記録してトップに立つ。レクオーナはこのままウエットコンディションのフリー走行1回目を制した。
終盤に転倒したミラーは2番手を守り、3番手はミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)。4番手はヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)、5番手はジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)だった。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は10番手、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は15番手でセッションを終えた。
■FP2:ミラーがトップ、クアルタラロは転倒を喫する
フリー走行2回目が行われるころには天候、路面状況ともに回復。各ライダーは最初からスリックタイヤで走行をスタートさせた。気温21度だが、路面温度は上がらず、13度と低め。このコンディションが影響したか、序盤にクアルタラロが2コーナーで転倒を喫している。
このセッションでも序盤からトップにつけていたのはバニャイアだった。その後、開始25分過ぎにフランコ・モルビデリ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がバニャイアのタイムを大きく更新し、トップに浮上する。
しばらくはモルビデリがトップをキープしていたが、残り時間5分でミラーがトップタイムを記録。さらにそのタイムをバニャイアが0.009秒更新し、バニャイアが再びトップに立った。終盤にはミラー、バニャイア、そしてポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)がトップタイムを記録し、最後にミラーが1分30秒927をマークしてこれがフリー走行2回目のトップタイムとなった。
2番手はポル・エスパルガロ。2番手タイムを記録してチェッカーが振られたあとに6コーナーで転倒を喫している。3番手はバニャイア、4番手はアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、5番手はホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)だった。
中上は6番手、転倒後に再び走行していたクアルタラロはタイムが伸びず11番手。バレンシアGPが最後のMotoGPでのレースとなるバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は21番手だった。