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新色追加の「HomePod mini」、バージョン15.1の新機能も見逃すな!

2021年11月12日 21:01  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
アップルの音声アシスタント「Siri」(シリ)を内蔵するスマートスピーカー「HomePod」シリーズのソフトウェアアップデートが実施されました。Apple Musicのロスレスオーディオ再生、Apple TV 4Kとの連携による新機能を、発売を迎えたばかりのHomePod miniの新色で試してみました。


ケーブルも同色! 細かい仕上げの新色を実機でチェック



まずは、新しく追加されたHomePod miniの新色を実機の写真で見ていきたいと思います。追加されたのはブルー、オレンジ、イエローの3色。アップルらしく、底面や電源ケーブル、USB-C端子のカバーも細かくキーカラーに合わせており、満足度の高い仕上がりになっていました。これまでのホワイトとスペースグレイにはないポップなカラーが、どの家庭にもマッチすると思います。


HomePodは進化を続けるスマートスピーカー



10月下旬に提供を開始した最新ソフトウェアバージョン15.1では、HomePod miniとHomePodがApple Musicのロスレスオーディオ再生に対応しました。HomePodは、Apple Musicの「ドルビーアトモスによる空間オーディオ」の立体再生ができるようにもなります。現在の最新バージョンは15.1.1で、ポッドキャストアプリの再生を安定させるためのバグ修正を加えています。



HomePodシリーズのソフトウェア更新は、iOS標準搭載の「ホーム」アプリから行います。ホーム画面のトップ左側にある家の形のアイコンをタップして「ホーム設定」を選択。「ソフトウェア・アップデート」を「自動」に設定していれば、更新可能なタイミングで自動的にダウンロードやアップデートが行われます。


Apple Musicでは、7,500万曲を超える多彩なジャンル、アーティストの音楽作品を配信しています。今年の6月8日に始まったロスレスオーディオは、従来のAAC形式による音楽ストリーミングよりもデータの情報量を増やし、解像度を上げてApple Musicのコンテンツをより高音質に楽しめるサービスです。ロスレスオーディオ再生のための追加料金は発生しません。



Apple Musicでは、ミュージックビデオやApple Music 1のラジオ番組を除くすべての楽曲がロスレスオーディオ品質で配信されます。ユーザーは「ミュージック」アプリの設定から音質を選択できます。



HomePodシリーズの場合は「ホーム設定」を選択したあと、ユーザー名をタップ、メディアに並ぶ「Apple Music」を選択して「ロスレスオーディオ」をオンにします。Apple Musicには、最大192kHz/24bitの「スタジオで制作されたままの音質」で楽しめるハイレゾロスレスオーディオ対応の作品もありますが、これらの楽曲を選択した場合でも、HomePodシリーズが再生できるのは最大48kHz/24bitのロスレスオーディオまでになります。


先述のApple Musicの設定画面には、「ドルビーアトモス」のオン・オフが選べるボタンも並んでいますが、本稿を執筆した11月上旬時点でHomePod miniは単体、またはステレオペアのどちらの場合もドルビーアトモス再生には対応していません。こちらの機能が有効になるのは、生産を完了したHomePodに限定されます。

HomePod miniによるロスレスオーディオ再生を聴いてみた



新色のHomePod miniでステレオペア再生ができる環境を整え、Apple Musicのロスレスオーディオ再生の実力を体験しました。



ロスレスオーディオ再生は、音楽の情報量が増えて音像の立体感が鮮明になり、縦横・奥行き方向への音場の広がりが一気に豊かさを増す印象を受けます。チェロのヨーヨー・マ、マンドリンのクリス・シーリー、コントラバスのエドガー・メイヤーによるアルバム『バッハ:トリオ』の「トリオ・ソナタ 第6番 ト長調 BWV530 ~第3楽章:アレグロ」は、もとはApple Musicで最大音質96kHz/24bitのハイレゾロスレス音質で配信されている楽曲ですが、HomePod miniでは最大48kHz/24bitで再生されます。それでも弦楽器の音色に厚みが増して、倍音成分が華やかに蘇るような充実した手応えが得られます。マンドリンの旋律も粒立ちがきらびやかになり、いっそうふくよかになるチェロやコントラバスの低音が演奏の足下を安定させて、雄大な立体感あふれる演奏の様子を小さなHomePod miniが描き出してくれました。



ホームアプリの設定から、ロスレスオーディオのオン・オフを切り替えてみると、違いは明らかです。オフ時のAAC形式による再生も十分に音質は良いのですが、ロスレス再生に比べると、やはりどこか平板で物足りなく思えてしまいます。HomePod miniを単体で聴いてみた場合も同じように感じました。


HomePod miniの場合、Wi-Fiに接続して聴くぶんにはストリーミングにより消費するデータ容量を気にせず聴けるので、Apple MusicのVoiceプラン以外の契約をされている方は、ロスレスオーディオは常時オンのまま楽しむのが良いと思います。

HomePod miniがApple TV 4Kの外部スピーカーになる



HomePodのソフトウェアバージョン15から、Apple TV 4Kとの連携、Siriによる音声操作もさらに充実しています。



HomePod miniは、Apple TV 4Kのデフォルトスピーカーとして設定できるようになりました。HomePod miniは単体、またはステレオペアのどちらの場合でも、Apple TV 4Kで再生するコンテンツのサウンドをHomePod miniを使ってより高音質に楽しめます。


ホームアプリからデバイスとしてHomePod miniを選択、設定メニューに入ると「低音を減らす」というメニューが増えています。これをオンにすると、音楽再生の聴きやすさを損なうことなく低音の音圧が抑えられます。HomePod miniによる音楽リスニングやシアター鑑賞を夜間にも楽しみたい時に便利です。


HomePod miniに話しかけて、SiriにApple TV 4Kの起動を頼めるようになりました。Apple Musicによる音楽再生もまた、楽曲・プレイリストを音声操作で呼び出して再生、一時停止や曲送り操作ができます。


音楽を再生しているHomePod miniにiPhoneを近づけると、iPhoneのロック画面にもメディア再生コントローラーが自動的に表示されるようになりました。音声による操作よりも、画面をタップした方が手早く確実に操作ができるので、筆者も仕事机に置いているHomePod miniの操作にはこの機能を多用しています。



Apple Musicの音楽ストリーミングをよりいい音で、Siriも活用しながら便利に楽しめるHomePod miniは、音楽だけでなく華やかなカラバリが加わったことで生活に豊かな彩りを与えてくれるスマートスピーカーです。同じ色どうしで、または互い違いの色を揃えても性能は同じなので、音のバランスを心配することなく組み合わせることができます。今まで1台のHomePod miniで我慢していた方もぜひ、この機会にステレオペアを揃えて、よりリッチなロスレスオーディオ再生を楽しんでみてはいかがでしょうか。


著者 : 山本敦 やまもとあつし ジャーナリスト兼ライター。オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。独ベルリンで開催されるエレクトロニクスショー「IFA」を毎年取材してきたことから、特に欧州のスマート家電やIoT関連の最新事情に精通。オーディオ・ビジュアル分野にも造詣が深く、ハイレゾから音楽配信、4KやVODまで幅広くカバー。堪能な英語と仏語を生かし、国内から海外までイベントの取材、開発者へのインタビューを数多くこなす。 この著者の記事一覧はこちら(山本敦)