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発見! あぶない家 第10回 不審者・不審車両の特徴とは? 見分けるポイントを解説

2021年11月11日 07:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
前回までは、犯罪被害に遭う確率をグンと低くする生活の仕方「防犯生活」や、子供の安全・安心、どんな住宅が犯罪企図者のターゲットになるかなどを、お話ししてきました。


今回は、あなたの防犯の目をもっと高めていただくために、不審者・不審車両の見極め方をお話ししたいと思います。



よく警察が「不審者・不審車両を見たら、110番してください」とお願いをしていますが、どんな人が不審者で、どんな車が不審車両なのか、ハッキリ分かっていますか?



講演会で「不審者・不審車両が分かる人いますか?」と質問をしても、会場で手を挙げる人は1~2人です。これでは、警察が通報してくださいといくら広報しても意味がありません。「不審者・不審車両」とは、どんな人か、どんな車かを一人でも多くの方に知っていただくことが必要だと思います。

○不審者の特徴的な行動とは?



では、どんな人が不審者と言えるのでしょうか? まず、泥棒で多いスタイルを知っていただきましょう。テレビではよく、泥棒を黒ずくめの服装で、口の周りに髭を生やし、ほっかむりをしていて、唐草模様の風呂敷を担いでいる姿で表現をしていますが、実際はそうではありません。



スーツ姿と作業着姿が昔から多いと言われていますが、今はそれに加え、カジュアルな服装の泥棒も増えています。髪型や服装から、不審者を判断することがとても難しくなってきています。ましてやこのコロナ禍では、皆マスクをしているので、より不審者が分かりづらくなっています。



不審者の特徴的な行動としては、道を歩きながら人の家の敷地内をのぞき込んでいたり、周囲を警戒するようにキョロキョロしていたり、人とすれ違う時自分の顔を見られないように顔を背けたりします。



また、子供を狙っている犯罪者は、道を歩く子供や公園で遊んでいる子供を、興味深く次から次へと観察しています。不審者は街中を歩いているだけとは限りません。公園にも不審者は潜んでいます。公園は憩いの場として、誰が長時間いても怪しまれることがありません。何日も続けて長時間いて、公園の周りの家や子供たちをジッと観察しています。私達にとって憩いの場が、犯罪者にとっては実に都合の良い場所になるのです。

地域で「あの人この辺りの人ではないけど、最近よく見かけるし周りをキョロキョロしながらウロウロしているわ」など「あの人何か変だな? おかしいな?」と思ったら、あなたの勘を信じて、こちらから顔を見て「おはうございます」「こんにちは」「こんばんは」などと声を掛けてください。犯罪者は顔を見られることを嫌います。顔を見て声を掛けられると、そこの地域から他の地域へと場所を変えるのです。

○不審車両を見分ける5つの特徴



不審者に関して少しはお分かりいただけたと思います。次は不審車両についてお話ししましょう。不審車両の見分け方は、この5つを覚えてください。まず不審車両は人(運転手)が乗っていることが大前提になってきます。


(1)ナンバープレートのひらがなが「わ」もしくは「れ」のレンタカー

(2)ナンバープレートの地域があなたのお住いの地域外(他府県)

(3)窓にスモークが貼られていたり、カーテンがひかれていたり、荷物がたくさん積まれていたりと、車内が見えづらくなっている

(4)運転手の人相が分からない

(5)普段は車が停まっていない場所に最近よく停まっている、同じところを低速でグルグル回っている


この5つがすべて揃ったら、警察に通報していただきたいです。できれば110番に通報していただきたいのですが、110番はちょっと……という方は、お住まいの地域を管轄している警察署、または#9110に連絡をしてください。この#9110は生活の安全や不安などに関する事柄を、警察に相談することができる警察相談専用電話の番号です。



ただし、緊急性を要することに関しては110番へ必ず通報していただきたいです。一本の通報で、指名手配犯が捕まった事例も多々あります。迷わず警察へ通報することが重要です。



不審者・不審車両に関してお話をしてきました。少しはお分かりいただけたと思います。



まず地域でコミュニケーションをとり、あなた自身が住んでいる地域を知ることも重要になります。自分たちが住んでいる地域は、自分達で守る! というと少し大げさかもしれませんが、そのくらいの気持ちで是非「防犯」の目を光らせて住んでいる地域を見ていただきたいと思います。



あなたとあなたの大切なご家族と地域を守るのはあなたです!



一般社団法人 日本防犯学校学長/防犯ジャーナリスト : 梅本正行 うめもとまさゆき 1964年からセキュリティ事業に参入し、警察署での署員特別教養講師や犯人逮捕への協力など、警察からの感謝状は400枚を越える。侵入犯罪の現場には極力足を運び、犯罪現場の環境や犯行手口など、事件の内容を検証。その数は8,000件を越え、今もなお増え続ける。現在、犯罪者心理を知り尽くしたプロの目で、防犯ジャーナリストとして活躍。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等で予知防犯対策を提唱している。また、行政・自治体・民間企業等でのセミナーや講演も多く、人情味あふれる独特のキャラクターで予知防犯対策の重要性と人の命の尊さを呼びかけている。通称「防犯の梅さん」。 防犯対策責任者の育成にも力を入れ、養成講座を開講する傍ら、犯罪抑止に力を注ぐと共に経済産業省の「省エネ・防犯情報提供事業研究会」の委員として参画していた。現在は地域の防犯ボランティアの育成や防犯住宅を造る工務店の育成を全国で行っている。 一般社団法人 日本防犯学校 この著者の記事一覧はこちら(梅本正行)