フェラーリのシャルル・ルクレールは、2021年F1第17戦メキシコGPでカルロス・サインツとポジションを入れ替えたことについて、フェラーリと意見の相違はなく、事前に計画されたことだったと主張している。
ルクレールとサインツはそれぞれ5位と6位でメキシコGPのレースをフィニッシュしたが、ある時点ではサインツがルクレールの前を走っていた。サインツはより新しいタイヤを履いており、彼にはルクレールが追いつけなかった4番手のピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)を捕らえるチャンスがあったのだ。
しかしルクレールはサインツを前に行かせるのに予想以上に時間をかけ、ふたりの間の緊張は高まるかのように見えた。サインツは、ルクレールが彼を後ろに抑えておくために故意にミスをしているとほのめかしていた。
だがレース後にルクレールは、順位の入れ替えが遅くなったのは単にコース上でのポジション取りのせいと、レース前に検討されたポジション交換をどのように行うかというのをフェラーリのピットウォールが管理していたためだと語った。
「そのことは事前に議論されていた」とルクレールは説明した。
「だからチームが彼を先に行かせるよう要請してきた周回があった。僕は前の青旗のマシンをオーバーテイクしているところだったと思う。だからその周回では行わなかった」
「次の周になるともうやらなくてもいいと言われた。その少し後で入れ替えたんだ。でも全体的にすべて明確だったし、僕は要請されてすぐ行動した」
ガスリーに追いつくためのサインツの努力が実らなかったため、サインツはその後ルクレールに5番手のポジションを返した。
「僕の方ではかなり速くピットストップをして、前にいるピエールに追いつくべくプレッシャーをかけようとした。そしてカルロスは長めにステイアウトして、レース終盤に向けてタイヤに差をつけておこうとしていた」とルクレールは話した。
「すべてはとても順調だったが、一旦ハードタイヤに履き替えると僕はすごく苦戦した。一方でカルロスは多少ましだった」
「それでも前のピエールのようなペースはなかったので、抜くことはできなかった。でも今日は素晴らしいチームスピリットが示されたし、それは良いことだと思う。今日はすべてのことを最大限に活かしたと考えている」
■「ペースの点ではベストレースのひとつ」とサインツ。選手権でマクラーレンを逆転
サインツは、第1コーナーの混乱のせいでスタート時に劣勢になったが、それでも今シーズンのベストレースのひとつにできたと語った。ルクレールの結果も相まって、フェラーリは余裕を持ってマクラーレンを引き離し、コンストラクターズ選手権で3位に浮上したのだ。
「純粋なペースの点ではおそらく今シーズンのベストレースのひとつをまとめ上げたよ。スタートは少し不運だったけれどね。でも今日は僕たちは本当に速かった」とサインツは語った。
「(スタート時の)ふたつのクラッシュは僕の目の前で起きたので、避けるための行動を取らなければならなかったが、そのせいで落とすべきではない順位を落とした。でもレースは時にこのようになるものだ」
「そこからは集中し、あの週末全体で見せたペースを出した。僕たちは本当に速かった」
「もちろん僕はチームオーダーを受けてシャルルを抜き、ガスリーを捕らえようとしたが、今週ガスリーはとても速くてうまくいかなかった。でもすごく強力なペースを1日中発揮していた」
「僕たちは望んでいたことを達成した。マクラーレンをかなり上回ったんだ。今週末は素晴らしいチャンスがあって、それをなんとか活かした。これからはチャンピオンシップで優位に立ち、今シーズン最後の4戦に挑む」
「タイトなレースになるだろう。彼らの方が速いコースもあるだろうが、僕たちは今日やったようにチームとして取り組みを続けることに集中し、前に進み続ける必要がある」