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佐野勇斗が語る、ゲームから得た“役柄への共感” 「架空のキャラクターを心の支えに」

2021年11月08日 21:11  リアルサウンド

リアルサウンド

佐野勇斗(写真=木村巧)

 ゲーム好きの著名人・文化人にインタビューし、ゲーム遍歴や現在の活動とゲームの関連性などを聞く連載“あの人のゲームヒストリー”。今回は現在上映中の映画『3D彼女 リアルガール』で、アニメやゲームを愛する主人公=筒井光を演じる若手実力派俳優・佐野勇斗に、これまで楽しんできたゲームと、そこから受けた影響について聞いた。撮影中「ゲームをやってきてよかった!」と思ったエピソードとは……?(編集部)


【写真】佐野勇斗撮り下ろしカット&『3D彼女 リアルガール』登場シーン写真


■「いまもゲームは生活になくてはならない存在」


ーーまずは佐野さんがゲームにハマったきっかけから教えてください。


佐野勇斗(以下、佐野):たしか幼稚園の年少さんくらいのとき、サンタさんにゲームボーイアドバンスを買ってもらって、最初にプレイしたのが『星のカービィ 夢の泉デラックス』だったと思います。これにどハマりして、コードでゲームボーイをつないで友だちと協力プレイをしたり、ずっと遊んでいましたね。そのあと、さらにハマったのが『ポケットモンスター ルビー・サファイア』。僕は『ルビー』をプレイしたんですけど、僕の青春は『ポケモン』だ! と言えるくらいハマりました(笑)。『ポケモン』はバトルの戦術など、やり込むほどに本当に深いんですよね。


ーー任天堂作品から、ゲームにハマっていったんですね。


佐野:いまでも大好きですね。ゲーム機も、任天堂さんだけでもゲームボーイアドバンスSP、ゲームキューブ、ニンテンドーDS各種、Wiiだったり、弟もいたので、いろいろと揃えてもらうことができて。家族もゲームがめちゃくちゃ好き、というわけではないんですけど、わりと一緒に楽しんでくれるタイプだったこともあって、「ゲームばっかりして!」と怒られるようなこともなかったですね(笑)。『ポケモン』で言えば『ダイヤモンド・パール』もやり込みましたし、高校を卒業してからもずっとプレイしていました。


ーーお仕事を始めてからも、ゲームは続けているんですよね。映画のインタビューで、瑛太さんとゲーム友だちだというお話もされていました。


佐野:そうなんですよ。スマホゲームもよくやっていて、『パズル&ドラゴンズ』などもプレイしているんですが、一番ハマったのが、プレイヤーがお互いの城を落とし合うリアルタイムストラテジーゲーム『クラッシュ・ロワイヤル』(以下、『クラロワ』)で。これを『ミックス。』という映画の撮影中にずっとやっていたんですよね。それからプレイし続けていて、いまではかなり強くなったと思います(笑)。


 最近はNintendo Switchを買ったり、事務所の先輩が誕生日プレゼントにPlayStation4をくれたり、家庭用機も充実していて、これも別の先輩からいただいたんですが、『モンスターハンター:ワールド』をやったりしています。いまもゲームは生活になくてはならない存在ですね。


■「いつか大きなステージで戦うくらいになりたい」


ーー業界内にゲーム友だちはいますか?


佐野:結構色々な方がゲームをやられているので一緒にやることもあるのですが、みんな強いので、競い合う感じです。世界的に見たら全然弱いんですけど、eスポーツを目指そうかな、と思うくらい真剣にやっています! いつか大きなステージで戦うくらいになりたいですね。


ーー『3D彼女 リアルガール』の撮影中も、例えば息抜きにゲームはしていましたか?


佐野:そうですね。『クラロワ』はもちろん毎日やっていました。そう! それと、撮影中に「ゲームをやっていてよかった!」と思ったシーンがあったんですよ。PSP(PlayStation Portable)を使うシーンがあって、そこでやり込んでいないとしない持ち方、独特の指の掛け方ができて(笑)。「『モンスターハンター』をやるときはこうやって持つのが一番ラク」という、わかる人にはわかる持ち方なんですけど。


ーーなるほど、見る人が見ればわかるリアリティーですね(笑)。


佐野:そうなんです。細かいところなんですけど、注目してもらえたら嬉しいですね。


ーー佐野さんはゲームをかなりやり込むタイプだということが伝わってきますが、今回『3D彼女 リアルガール』で演じた筒井光も、好きなことを突き詰める、自分の世界を持ったキャラクターだと思います。ゲーマーとして、共感する部分はありましたか?


佐野:そうですね。僕自身、ゲームもそうですし、アニメも大好きなんです。そういう意味で、一つのことにガッと集中して追求する、という気持ちはよくわかりました。例えば、『ドラゴンボール』を観て、自分も「気」を出せるんじゃないかと思って、本当に集中して練習していたこともありましたから。気を練って、「体から黄色い光、出ないかな」って(笑)。


ーー「かめはめ波」を出そうとしてみる、というのはアニメファンなら誰しも通る道かもしれません(笑)。そういう想像力は、演技というお仕事においても大切になる場面があるのではと。


佐野:そうだと思います。確かに、僕もかめはめ波も一人で撃とうと頑張っていました(笑)。僕がゲームにハマったり、アニメを観ていたりしなかったら、筒井くんに共感しながら演じるのは難しかったかもしれないですね。ゲームやアニメに登場する架空のキャラクターを心の支えにするほどリアルに感じる、という気持ちもよくわかりますし。


■「勝ちにこだわったパーティーを組んだりする」


ーーちなみに、この先プレイしたいと思っているタイトルはありますか?


佐野:本当に多くの人が楽しみにしていると思うのですが、やっぱり12月7日に発売される、Nintendo Switchの『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』ですね。全キャラ登場ということなので、ずっと使ってきたピット(『光神話 パルテナの鏡』の主人公)を使いたいなって。


ーー使用キャラクターを選ぶとき、強さで選ぶタイプですか? それとも、愛着が持てるキャラクターを選ぶタイプですか?


佐野:『ポケモン』で言えば、手持ち全部、伝説ポケモン!みたいな、勝ちにこだわったパーティーを組んだりするんですけど(笑)、他のゲームだと好きなキャラクターを選ぶことが多い気がします。


ーーさて、今作『3D彼女 リアルガール』は、ゲームファンにも刺さる作品だと思います。あらためて、見所を教えてもらえますか。


佐野:自画自賛するみたいで、自分が出演した作品はあまり褒めないことも多いんですけど、『3D彼女 リアルガール』は本当に面白いので、ゲームファンの方とか、これまで少女漫画系の作品を観て来なかった方にも、ぜひ観ていただきたいです。共感できる面が多いと思いますし、試写会に行った僕の男友だちもみんな「面白かった!」と言ってくれているので、自信を持ってお勧めしたいですね。


ーー最後に、佐野さんにとってゲームとは?


佐野:ゲームをやっていたからこそ友だちができたことも多いですし、子どものころから、一緒に家に集まってゲームをした思い出は忘れられないですし、生活に支障が出るほどやりすぎるのはどうかな、とは思いますけど、本当に素晴らしいものだと思っています。少なくとも僕にとっては、欠かせない存在ですね。


(橋川良寛)