2021年11月08日 18:21 弁護士ドットコム
DeNAが運営するクラウド型サービス「Coopel」のサイトでこのほど、外部サイトからの無断転載が発覚した。被害者が指摘したところ、DeNA側は「参考に作成した」ことを認め、該当部分を削除した。「作成者の理解・認識不足により、コンテンツのチェックプロセスを経ずに公開」されていたとしている。
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DeNAをめぐっては、2016年に運営していた複数のキュレーションサイトで、不正確な情報や他サイトからのコピペ、リライトが問題になった。
弁護士ドットコムニュースの取材に対し、DeNA側は「企業としてあってはならないことであったと深く反省し、今後、第三者のコンテンツの利用に関する社内教育・チェック体制を更に強化し、再発防止の対応をしてまいります」と回答した。
被害にあったのは、むらしゅん(@murashun)さん。「正規表現」の一覧表を自身のサイトに掲載したところ、具体例の一部文言を「Coopel」に置き換えただけで、ほぼそのまま転載されたという。Googleで自身のページ順位を確認するため「正規表現」と検索した際に発見したそうだ。
正規表現そのものは単なる表記法に過ぎない。だが、個別には著作権で保護されなくても、「まとめ方」によっては権利が発生することがある。著作権にくわしい冨宅恵弁護士は次のように話す。
ただ、今回のケースでは、基本的な正規表現をまとめたという性質もあり、一定の工夫はあっても、法的には創作性があるとまでは言い難いようだ。
むらしゅんさんも権利を主張しているわけではなく、DeNA側に何らかの要求をしているものでもない。ただ、企業が個人サイトの記述をコピペしているとしたら、仮に著作権上はセーフでも、倫理的には問題がある。当事者が抗議するのも当然だろう。
【取材協力弁護士】
冨宅 恵(ふけ・めぐむ)弁護士
大阪工業大学知的財産研究科客員教授。多くの知的財産侵害事件に携わり、プロダクトデザインの保護に関する著書を執筆している。さらに、遺産相続支援、交通事故、医療過誤等についても携わる。「金魚電話ボックス」事件(著作権侵害訴訟)において美術作家側代理人として大阪高裁で逆転勝訴判決を得る。<https://youtube.owacon.moe/c/starlaw>
事務所名:スター綜合法律事務所
事務所URL:http://www.star-law.jp/